黒の決意 白の願い
貴女が世界に歌を届けようとするのなら
俺はそれに仇なすものから貴女を守ってみせる。
貴女が悲しみの歌を歌わぬように
貴女の翼が黒く染まらぬように
俺は貴女を守ってみせる。
俺のこの力はそのためのものだから・・・
剣士としては壊れかけではあるけれど
この二振りの刀にかけて
貴女を守り抜き、きっと貴女のもとへ帰ってくる。
だからそのときは笑顔で迎えてほしい。
それが貴女を守り抜けた証となるから。
俺はきっと貴女を守ってみせる・・・・
貴方が私を守ってくれるのなら
私は貴方を癒しましょう。
貴方が戦い疲れたときに
貴方が心穏やかに眠れるように
私の歌で癒してあげる。
本当は貴方に戦って欲しくはないけれど
貴方が傷つくのは嫌だけど
貴方が行くと言うならば、
私は精一杯の笑顔で見送ります。
だからお願い生きて帰ってきて。
二度とあんな思いをするのは嫌だから
だからきっと生きて帰ってきて。
魔術師のお礼状
愛する人のために自らを刃と化す男と、愛する人が自らのために傷つくのを恐れる女
「貴女のため」
そう言って剣を振るう男を女は止められない。
そんなこと望んでいないのに、自分のために男が傷つくことこそが悲しいのに・・・。
何故なら、止めてしまえば、彼の大切な何かを奪ってしまうことを知っているから。
だからせめて貴方のために何かをしましょう・・・。
歌姫は歌う、癒しの歌を。
夜の少女は優しく微笑む、包み込むような優しさで。
義妹は励む、いつか自分が背中を守れるように。
退魔師は祈る、せめて男が傷つかないように。
真直ぐな少女は慕う、いつか男を超えることを夢見て。
病弱な少女は戦う、男が心配しないように。
・・・・・・たった一人、貴方のために。
私も、慣れない詩風味で書いてみました。
この詩で感じたのは恭也という存在の歪みです。
護るために剣を振るう、けれど、少女達はそれを望むでしょうか。
自分のために傷つく愛しい男、優しい彼女達はそれを哀しむのではないでしょうか。
けれど、『護るために剣を握る』。
それは、恭也のアイデンティティです。
それを、否定することは、彼と彼の父親を否定することにすらつながるかもしれません。
だから、少女達はきっと何もいえなくなるのでしょう。
特に、フィアッセは一度目の前で『自分を護るため』に剣を振るった人の『死』を見ています。
最後のフレーズ
だからお願い生きて帰ってきて。
二度とあんな思いをするのは嫌だから
だからきっと生きて帰ってきて。
これは、きっと血を吐くような心からの叫びなのではないでしょうか?
と、今回は重めの感想になってしまいましたが、恭也とフィアッセという関係を奇麗にまとめていて凄いな~と思いました。
ではでは、感想をよろしくです。
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