目を覚ますと青い空と、それを包み込むような入道雲が広がっていた。
「あいたたたた・・・・」
ったく、セイバーも遠坂も無茶苦茶しやがって。
いくらなんでもエクスカリバーと宝石剣のコラボレーションはあんまりだ。
仕方ないじゃないか、俺は巨乳好きなんだから
ぶつぶつ文句を言うなら、桜を見習って欲しいよ。
第一、セイバーなんてあの飯の栄養を乳に回さないで、何処に回すって言うんだ・・・。
「ああ、男なら巨乳が好きなのは当然だぜ」
おお、ランサー判ってるじゃないか。
さすが、英雄だぜ。
その鋼の背中が逞しいぜ!!
「好きにしていいぞ」
・・・・・・は?
「だからこれを好きにしていいと言ってるだろ」
くるっと振り向いたランサー
その胸は・・・・・・?
「―――――構造解析」
そう、この身はそれだけに特化した回路
この俺に見抜けぬ乳なんてない!!
バストスカウター、約して『Bスカウター』発動!!
なんて戦闘力だ・・・
ランサー、バスト88だと!?
いや、しかしあれはバストといっていいのか?
しかし、乳界の第一人者、乳評論家を自認する俺としては挑まれた以上、どんな乳でも試して見なければならない。
とりあえず顔を埋めてみることにする
「どうだ?」
「・・・違う!」
硬い!!何て硬いんだ。
こんなのおっぱいじゃない!
俺の好きな巨乳じゃない!
「ランサー、巨乳はプルプルしてるもんだろ!?」
「よし、まかせろ!」
ピクピク・・・
「フンフン」
ピクピク・・・
「ふざけんな!これは筋肉がピクピクしてるだけじゃないか!」
「プルプルもピクピクも大して変わんないだろ」
「こんなのおっぱいじゃない、ただの大胸筋だ」
ゴツゴツしてる!!
すっごくいや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
・・・・・・・・・って、慣れてくると意外といいかも。
この硬さが蒼い果実みたいな、何と言うか背徳感を刺激すると言うか・・・
「って、何を言ってるんだ俺は!?これは夢だ、早く覚めてくれ」
「何?早く目覚めてくれ?そうか、兄貴の世界に目覚める気になったか」
「その目覚めるじゃね〜!」
・・・ああああ。でもやっぱり、気持ちいい、かも。
いや、まずい、まずい
誰か俺を起こしてくれ!
「遠坂、セイバー!早く起こして、俺を目覚めさせてくれ!」
「よしきた!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺がこっちに目覚めてしまう前に。
その2〜兄貴が水着に着替えたら
脂汗をかきながら、うわ言をぶつぶつ呟いている士郎を心配そうに見守る二人。
「ねえ、セイバー、ちょっとやりすぎたかな?」
士郎の汗を拭いながらセイバーも溜息をつく
「・・・う、認めたくはないですが確かに」
「しかしさっきからこいつ、何を魘されてるのかしら?」
「助けて、目覚める。あっちの世界に目覚める前に目を覚ましたい」
「・・・・・・・・・・本格的にやばいわ」
「同感です、凛。貴女は士郎に、冷たい飲み物でも買ってきてあげてください。
私はとりあえず日光に当たらないように士郎をパラソルの下に運びます」
「了解」
そのまま士郎の背中はズルズルと砂浜に接吻を強いられた。
その衝撃で意識が「あっちの世界」から還って来た。
朦朧とした胡乱な頭で周りを見回す。
波打ち際ではしゃぐ桜とライダー
砂浜で何やらお城を作っているイリヤと藤ねえ
そして、後頭部に感じる柔らかい感触
髪に撫でる優しい感触
今、士郎は男のロマンを体現していた。
宝具『遥かなる漢の理想境(セイバーたんの膝枕)』である。
ちなみに、効果は周りの視線も完全シャットアウトして二人の世界に浸れること
その感触は最早魔法そのものだとか。
『ああ、天国だ』
一瞬これは夢かと思ったが、さっきまで見ていた夢は悪夢なので、無理矢理に現実と信じ込んだ。
視線を転じる
正直見なければ良かった
・・・・・・お前は今から深海にでも素潜りに行くのか?
全身真っ青なボディスーツに身を包んだランサー
しかし、奴はまだ良い
浅黒い肌
鋼のような背中
・・・・・・そしてキュートな尻えくぼ
頼む、今時真っ赤な赤フンは止めてくれアーチャー
そして極めつけ、正直見たくはない、しかしある意味目が話せないあの男
キンキラ金に輝くラメ入りの黄金の水着を着用する男
しかも、勘弁して欲しいことに何故か奴の水着はブーメランだ。
モッコリとした股間とTバックそのものの後姿がたまらなく嫌だ。
『ああ地獄だ』
「あれ?セイバーさん。遠坂先輩は?」
ひと泳ぎしたのか、瑞々しい肌に水滴が珠になっている。
そんな桜の自己主張の激しい胸を見る、そして自らの胸元に視線を転じる。
「ハァーーー」
「どうしたんです、セイバーさん」
「いえ、なんでもないです。なんでもないんですよ、別に・・・」
少し投げ遣りなセイバーに首を傾げながらも桜は士郎に心配そうな視線を送った。
「先輩、起きてください」
ユサユサユサユサ
士郎の身体をゆする
「先輩、起きて下さい」
ユサユサユサユサ
一緒に桜の胸元の巨乳山脈も鳴動する
「・・・う〜〜ん」
「先輩ってば」
士郎は、桜の巨乳を視界に収めると突然、虚空に手を伸ばしガバッと体を起こした。
そして、桜を一目見るなり突然
「巨乳怖い!!」
ガタガタ震え始めた
「あの、士郎?」
さすがに、士郎の尋常じゃない様子に責任を感じたのか、セイバーが気遣うように声をかけた。
「助けて微乳!!」
そのままセイバーの胸にダイブをかます士郎。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
あまりの事態に呆然とする二人
「ああ、やっぱりこれだよこれ。固い乳なんて・・・」
スリスリ
「・・・あッ・・・、ちょ、士郎」
スリスリ
なおも胸に甘える衛宮士郎、美乳と微乳と巨乳、違いのわかる高校二年生。
「ん・・・、ああ・・・・」
セイバーがピクンと反応する。
「離れて・・・ください、士郎、どうしたのですか?」
「大丈夫、俺はノーマルだ。大丈夫・・・。兄貴なんて・・・」
自分に言い聞かせるように、ずっと『俺はノーマルだ』とぶつぶつ言っている様は相当怖い。
「いいかげんしてください!こんな昼間から・・・。
皆も見てるし、焦らなくても夜にでも・・・」
セイバーも照れているのか、錯乱してとんでもない事を口走っている。
「雑種!!貴様!!!」
世界を震わせるかのような怒声。
最近あちこちですっかりギャグ役が板についてきた感がある『英雄王』ギルガメッシュが、初対面のころのような、珍しくシリアスで威圧感丸出しの雰囲気で士郎を睨んでいた。
まるでゲーム本編のセイバールートのような圧倒的な存在感である。
何処で間違ってあんなキャラになってしまったのか。
「雑種、貴様、我の妃に手を出すとは、その身を百に刻み、百度殺しつくしてもまだ飽き足らぬ」
「誰が貴方の妃ですか!!」
「騎士王、世界の財宝の全てを手に入れた我が、唯一手に入れられない蒼い宝石よ。
その高貴さ、その気高さ、その凛々しさ、貴様は雑種風情には相応しくない」
セイバーに向かい自らの右手を伸ばす
「我の下に来るが良い、我が望むはお前だけだ、お前の美しさは誰よりも我が知っているつもりだ」
真摯な瞳、言葉は倣岸にして不遜ながらその気持ちには一点の曇りもない。
その真摯な瞳に騎士王も真っ向から応える。
「ギルガメッシュ、私はシロウの剣となり運命を共にする事を誓ったのです」
交差する碧と紅の瞳。
先に視線をはずしたのは、珍しいことに英雄王だった。
「セイバー、エンキドゥ・・・・・・
我はあらゆる物をこの手にした、しかし、我が望む物は常に手が届かない
皮肉なことだ、届かないことを承知で、それでもしつこく焦がれ求めてしまう。
世界の財をこの手に収めようとも、ただの一度さえも、我が真に望む物には届かない」
伸ばした右手を口惜しそうに引き戻す。
「師しょ〜、何か金ぴかが生意気にシリアスですね」
「作者がギル様好きだからでしょ〜」
「なるほど、これが差別っってやつっすね!」
「ギルガメッシュ・・・」
「ふ、何も言うな、同情など要らぬ。
全ての英雄の頂点に君臨する我に、そのような物は必要ない。
そして、気高き英雄王よ、そなたにはそのような痛ましい表情は似合わぬ」
「・・・あ・・・ちょっとシロウ、止め・・・あ、ん・・・」
空気が読めない男、衛宮士郎
性懲りもなくセイバーの乳に頬摺りしていた。
「だから言ったであろう、エミヤシロウよ。
貴様は巨乳に裏切られると、そして貧乳マンセーーーーーー!!っと」
アーチャー、ドサクサにまぎれて混ざるんじゃない!!
「雑種ども、キサマラァァァァァァアァ!!!!!」
せっかくのシリアスシーンを邪魔されたからか、流石にギル様が切れた。
「葬り去ってくれるわ!」
大気が震える
空気が燃える
世界が壊れる
遥か昔、まだ世界が神話に謳われる神々と共にあった時代
この世のあらゆる財をその手に握った偉大なる王が居た
倣岸にして不遜
剛毅にして果断
半神にして最強
世界最古の叙事詩に謳われる、その姿はまさに英雄王
時の流れと共に、彼の手から離れ世界に散らばった財宝
ある剣は、王を勝利に導く聖剣とされた
ある槍は、因果を逆転させる魔槍と呼ばれた
伝説の源になったすべてが、元は彼の所有物であった
故に彼はこう呼ばれた
全ての英雄を統べる者
『変態王』ギルガメッシュと・・・・・・
「おい!誰が変態王だ!!」
金ぴかブーメランパンツをはいた男は変態ではないのでしょうか?
「喰らえ!!」
「ギルガメッシュ・・・・・・・・・なんでそこで手が股間に伸びる?」
『王のお宝(ゲート・オブ・バビロン)』
ニヤリと笑い自らのブーメラン(ラメ入り)の股間を開放しようとする
「消えろ!」
「ギルガメッシュ!!貴方はこのサイトそのものを消す気ですか?」
セイバーの悲痛な叫びも、もはや露出狂のごとく、セクシーコマンドー顔負けの怪しさで自らの股間を解放しようとする英雄王には届かない。
そして、いよいよ王のお宝が白日の元に解禁されそうになる
「止めなさいギルガメッシュ!!」
セイバーの悲鳴が上がる
って、セイバーさん、お約束どおり覆った指の隙間からガン見ですか?
反応するは紅い騎士
翻る紅い聖骸布、ただし今はフンドシ仕様
「せっかくの極楽貧乳ランドを堪能しているのに!!」
―――――身体は剣で出来ている
長いのであとは中略
「「アン・リミテッド・ブレイドワークス!!!」」
「適当すぎですよ、師しょ〜」
「かめはめ波だって、後半はもうみんな「は!!」だけで出してたし良いんじゃない?」
「流石っす、師しょ〜、そのやる気のなさがヒロインと全く認知されない要因なんですね」
四方八方から宝具がギルガメッシュに降り注ぐ
「意外と痛いけど、ちょっとカ・イ・カン」
「「お前はパピヨンかぁ!!」
「変態王よ、下ネタは禁止だ」
「ク・・・貴様ら汚いぞ、二人そろってアンリミテッドブレイドワークスだなんて」
「ふふん、何を言っている、一対一の勝負じゃないか」
「その通り、ギルガメッシュ対『衛宮士郎』なんだから何の問題もない」
「それって納得いかないぞ、フェイカー」
「第一、貴様は何もわかっては居ない」
「そもそも正義の味方は、例え相手が怪人一人でも、確実に勝つために最大5人までなら袋叩きにしてもいいんだ!」
そう言って胸を張る二人の自称正義の味方に、切継は
「さらに向こうが丸腰でも、こっちは巨大ロボットを初めとする武器も使ってOKさ
何て言っても正義の味方だからね!」
と、良い笑顔で指を立てていた。
「正義の味方って卑怯だよね」
「・・・今話しかけないで、山崩れちゃうじゃない」
「先生、イリヤちゃん何やってるの?」
「あ、桜、一緒にやる?棒倒し」
「・・・棒ってそれゲイボルグじゃないですか」
「うう、あんまりだ、いくら出番が少ないからって初っ端の夢といい、ゲイボルグの使いかたといい・・・」
意外とナイーブなランサーの背中が寂しそうに揺れていた
艦長の戯言
すいません、悪ふざけです
まあ、どうでもいい作品ですしあんまり細かく突っ込まないでください
次回はキャスター登場予定
まあ、次回も書くは未定ですが
まあ、読みたいって言ってくれる人がいたら書く気です
よろしく