窓の外には、真っ赤な夕焼け。
世界を染めつくすような赤色が病室を、そして、何よりも士郎の視界をも染め上げていた。

赤く染まった病室は、まるであの剣の丘のようだ。
自分であって、決して自分でない、理想を極めた果てにある心象風景。

変わらずに外を眺めていた彼が、ポツリと呟いた。
士郎は思わず耳を疑った。
士郎から彼の表情を窺うことはできない。
したがって、彼の漏らした一言が、何を指しているのかわからなかった。

「ありがとう」

そんな士郎の沈黙を聞こえなかったと判断したのか、彼は先ほどと違い、今度ははっきりとその言葉にした。
振り向いた彼の表情に悪意はなく、その歪んだ口元に嘲弄は無かった。

それは、およそ彼らしくない微笑。
いつも誰かを見下し、小バカにしたような冷笑ではなかった。

それは、およそ彼らしい微笑。
4年前、初めて出会ったときに見せた、少し皮肉気で、でもまっすぐな笑顔。

今、士郎の前で静かに横たわっている、彼の名は間桐慎二。
かつては、親友とも呼べる程に、親しく付き合っていた男だった。


親友


気持ちの良い早朝、目を覚ました士郎の耳に軽快な包丁の音が聞こえる。

「おはようございます、先輩」

案の定、聖杯戦争が終わってからは、大怪我を負った慎二の看病が忙しくて、久しく訪ねて来れなかった桜が台所に立っていた。

「ああ、おはよう桜、その、なんか久しぶりだな」

何故か照れくさくて、思わず頬を掻く。

「はい先輩、遠坂先輩も居るし、私はお邪魔かなとも思ったんですが・・・」

「馬鹿!桜は家族みたいなものなんだから、邪魔だなんて事あるか」

「はい、ありがとうございます」

嬉しそうに微笑む桜、最近は学校でもだいぶ笑っている姿を見るようになってきた。
不意にその笑顔が苦笑に変わった。

「・・・おはよーー」

『・・・ああ、なるほど』

幽鬼のような表情でふらふら歩く遠坂を見て納得した。
学園のアイドル、完璧超人とまで言われる遠坂の弱点は半端ではない。

「おはよう、遠坂。ほら、牛乳だ」

腰に手を当て、一気に飲み干す凛を、桜は呆然と見守っていた。

「おはよう、士郎、それに桜も」

「はい、おはようございます、遠坂先輩」

「え?」

一瞬でいつもの表情に変わる遠坂に、桜はついていけてないどころか普通に対応している。

「どうしたんです、先輩?」

言葉にはしないが、遠坂からも不審げな視線を向けられる。

「いや、桜は遠坂の尋常じゃない朝の弱さを知ってたのかなって。
全然驚いてないみたいだからさ」

「いえいえいえいえ、驚いてますよ。もうびっくりデス!!」

「いや、桜なんか口調おかしいから」

「そんなことより桜!何か用があったんじゃないの!?」

ポンと手を叩き桜が頷く。
ちなみに、上記のようなやり取りをしながらも、朝食を作り終えている桜と士郎は流石だ。

「そうでした、お二人とも、今日の放課後お暇ですか?」

「もしかして・・・」

「はい、兄さんが先輩たちにお会いしたいって・・・」

「そっか、慎二もそこまで回復したのか、良かったな」

「はい、まだ長い時間は無理ですけど・・・」

嬉しそうな桜の笑顔が士郎にも心から嬉しい。
入院してからは慎二も角が取れたのか、優しくなったと言っていた桜の言葉は本当らしい。
ずっと家族以外面会禁止だった慎二、そんな慎二を看病し続けていた桜だけに、喜びもひとしおだろう。

「そっか、そういうことなら当然お見舞いに行かせてもらうよ、なあ遠坂?」

嬉しそうな士郎とは対照的に、凛は難しい顔をしていた。

「あの、遠坂先輩は来ていただけませんか?」

桜も不安そうに凛を見ている。

「いえ、私もお見舞いには行かせてもらうわ」

魔術師の顔で、表情だけ見れば非の打ちようが無い笑顔をつくり、朝練に向かう桜を見送った。


「遠坂・・・その、まだ、怒ってる・・・よな、やっぱり」

桜を見送ってからずっと難しい顔をしている凛は、そんな士郎の呼びかけにも反応せず、登校の間も一度も口を開かなかった。



「なあ、遠坂」

「なによ?」

放課後、慎二の病院に向かう道すがら、相変わらずの表情の凛。

「その・・・慎二のこと怒ってるのは当然だけどさ、相手はまだ怪我人だし、今日はあんまりショックを与えないでやってくれないかな」

自分も殺されかけたのに、散々酷い目に合わされているはずなのに、相変わらずのお人好しな士郎に呆れ返ってしまう。

「ふーん、衛宮君は怒ってないんだ。いろいろあったのに。」

ついつい口調も棘があるものになってしまう。

「許せないこともあるけどな」

「学校の生徒を巻き込んだこと?」

「その時藤ねえを蹴飛ばしたこともな」

頷き、悔しそうに唇を噛んだ。
幸い大事には至らなかったとはいえ、それは結果論だ。
慎二自身は生徒に危害を加える気でやったことは明白だ。

正義の味方を目指す士郎にとって、それは当然許すことの出来ない行為だろう。

そして、朝から凛が難しい顔をしているのも、そのことがあるからだ。

慎二はマスターではあったかもしれないが、魔術師ではない。
それは魔術回路が無いから、という意味ではなく、思考が、そして在り方が魔術師ではないということだ。

魔術師なら、聖杯戦争に参加するということは、相手を殺す覚悟と殺される覚悟を決めるということだ。
通常の世界と一線を隔す、裏の世界で生きる魔術師なら当然のことだ。
凛から言わせれば、どうしようもないほど甘ちゃんで、自分を魔術使いだと言い張り、あまつさえ正義の味方を目指している士郎ですら、自分が殺される覚悟は持っていた。
しかし慎二にはそれが無かった。

生粋の魔術師である凛に言わせれば、慎二は自分のプライドを満たすために、本人には過ぎた武器を振り回していた一般人でしかない。
少なくとも凛はそう思っている。

それならそれでいい。
自分を襲おうとしたことは許す気は無いが、死すらも覚悟して臨んだ聖杯戦争中に敵のマスターに捕まったのだ。
何もされずにすんで良かったと、助かってラッキーだったと割り切ってはいた。
だから慎二が、今回のことで骨身に染みて反省し、二度と自分は魔術師だ、なんて考えないというのなら水に流してやる気だった。

「遠坂・・・おい、遠坂ったら」

「あ。ゴメン聞いてなかった」

「急に難しい顔しながら考え込むんだもんな、遠坂は」

苦笑する士郎の横顔が一瞬、赤い弓兵と重なる。

『そうよ、第一もう一人の主犯であり、自分を騙したあいつを許してやったのに、慎二だけ許さない訳にはいかないじゃない』

一瞬、恋人の向こうにアイツを重ねて憮然とする。

「それと、遠坂のことだ」

「は?」

自分の世界に没頭してた凛は意味がわからず目を丸くする。

「遠坂に変な事しようとしたことだけは許せないってことだよ。
女の子に、しかもよりによって遠坂に、そんな事しようとしたことだけは、俺は絶対に許せない。
何もなかったから良いって問題じゃない、それだけは本当に頭にきてるんだ」

まだ肌寒い気候の中で、顔が急激に熱くなる。

完全に不意打ちだった。

まったく、こいつはなんで鈍感なくせに、遠坂凛が嬉しいことをいつも言ってくれるのか。

嬉しくて照れくさくて頬が緩む。



「へぇ〜私のこと、女の子扱いしてくれるんだ。
あ、士郎、もしかして妬いてるの?」

およそ女の子らしくない自分を女の子扱いしてくれること、そして士郎がしっかり妬いてくれていることが嬉しくて、ついついからかう様な口調になってしまう。

「バカ、遠坂は女の子じゃないかよ!」

それも超がつく美少女の、なんて言えるわけも無い。

「私が女の子?ありがと、でも、私、女らしくないし、性格だって可愛くないし・・・
第一魔術師だから魔術回路とかお薬とか、その・・・身体もいろいろ普通じゃないし・・・」

「女の子だよ、遠坂は。
少なくても俺にとっては、普通の可愛い女の子だ」

嬉しそうな、哀しそうな複雑な表情でブツブツ言っている遠坂が妙に癇に障って、言葉を遮るように強く断言して後ろから抱き締める。

「・・・ん、ありがと、士郎」

彼女らしくない、儚い笑みと弱い言葉に抱き締める腕により強める。
眩暈がする。
どうして、遠坂凛はこんなにも可愛いのに、それが本人にはわからないのだろう。
何とかしそれを伝えたくて、強くきつく抱き締める。

「痛い、士郎、痛いよ。
それに、誰かに見られたら・・・」

ここが往来だからって構うものか、そんなことよりも本人に伝えたい。
『遠坂凛』ほど可愛い女の子は居ないという事を。

「なんだ、お前らやっぱり付き合ってたのか」

そう、誰に見られても・・・って、この声は・・・

「美綴!!?」
「綾子!!?」

パッと二人して離れる。
誰に見られても構わないんじゃなかったのかって?
それはそれ、これはこれだ。

「しかし、奥手に見えて意外と積極的だなぁ、衛宮」

「な、おま、どっから見て、ってか、なんでここに・・・」

ニヤリと美人と評して良い、その顔に浮かぶ表情は何故か既視感めいた物だった。
まるでアクマのような微笑は何処か身近で・・・

「そうだな、見てたのは、我が学園一のアイドル遠坂凛嬢を、衛宮が後ろから抱き締める前辺りからだな」

「それって、ひょっとして・・・」

「具体的に言うと、『俺にとっては、普通の可愛い女の子だ』って、衛宮が口説き文句を囁いてるあたりかな」

「・・・マジで?」

「ああ」

力いっぱい頷く美綴を前に、穴があったら入りたい。

「何が望みかしら、美綴さん」

そんな気持ちで一杯の士郎を尻目に、凛は美綴と合わせ鏡のような表情で声をかける。
向かい合う二人の美女が、互いに極上の笑みで対峙している。にも拘らず、すっごくピリピリした空気なのは何故だろう。
既視感の正体がわかっただけでも収穫なんだろうか。

「さすが遠坂は話が早くて助かる」

ニヤリと笑う美綴と不服そうな凛、マフィアのボス同士が港で取引してるのを見張る小心者の新聞記者の心境だ。
思わず固唾を呑んで見守ってしまってる士郎だった。

「賭けの条件の無効化」

「ック・・・。
仕方ない、それで手を打ちましょう」

「OK、商談成立だ。」

バサッと持っていた花束を士郎に手渡し、じゃあな、と踵を返し去っていく美綴が不意に立ち止まった。

「おめでとう、なかなかお似合いだよ」

先ほどまでと同じく冷かすような口調で、だけどそれだけじゃない、祝福するような笑顔で叫ぶ。
そしてそれだけ言い残すと、あとは振り返らずに立ち去っていった。



「あいつ、結局なんだったんだろう?」

「もう!だから、誰かに見られたらって言ったのに」

「・・・すまん」

「綾子だから良かったものの、他の人に見られたら口止するのも難しいんだからね、何のために学校で距離を置いてると思ってるのよ」

プリプリ怒りながら先に進んでいく遠坂、先ほどまでの良い雰囲気は微塵もない。

「士郎、どうしたのよ?」

花束を睨んだまま一歩も動かない士郎に、凛が焦れた表情で戻ってくる。
何も言わずに花束を凛に手渡す。

「綾子が持ってきた花束じゃない、それがどうかした・・・」

あ、っと呟き、凛もまた複雑そうな顔で花束を見る。
『回復おめでとう 弓道部一同』と書かれたメッセージカード。
最近沈静化してきたとはいえ、美綴本人もまたライダーに襲われ、傷を負った上に不名誉な噂まで流されて大変な目にあった。
気丈に振舞ってはいたが、やはり女の子だ、傷ついたに違いない。
それにもかかわらず美綴は、弓道部を代表して慎二の見舞いに行く気だったのだ。

慎二はライダーに美綴を襲わせた犯人だ。

美綴自身はそれを知らない、だが、士郎と凛は全てを知っている。

聖杯戦争の咎は罪に問えない。
少なくとも、美綴に真相は伝えられない。


二人は無言のまま、重い足を慎二の入院する病院に向けた。











「よう、衛宮、それに遠坂も。
わざわざ無様な僕の姿を見て笑いに来たのかい?」

病室に入ってきた二人を迎えた第一声がこれだった。
裏切ったのに、敵対したのに、何より命を助けてもらったのに、まったく悪びれた様子も無い慎二だった。
相変わらずの皮肉気な表情が癪にさわり、凛は知らずに綾子の花束を強く握り締めていた。

「帰りましょう士郎、こんな男と話すことなんか無いわ」

吐き捨てるように呟く凛を手で制し、その手から花束を奪うのと同時に桜が病室に入ってくる。

「あ、先輩、遠坂先輩も来てくれたんですね」

桜の場違いな嬉しそうな声には応えず、士郎は無言のまま花束を慎二に渡した。

「なんだくれるのか?しかし、衛宮は気が効かないのは相変わらずだな。
花なんかより食える物を持ってくればいいのに」

「兄さん、せっかく先輩が持ってきてくれたのに・・・」

「まあ、気持ちだけは受け取っておいてやるからさ、その花は持って帰って遠坂にでもやりなよ。
生憎この病室には花瓶なんて無いからさ」

慎二の言葉が聞こえないように、返そうとする花束を士郎は受け取ろうともしない。

「衛宮、聞いてるのかよ・・・」

「その花は俺からじゃない」

落とした視線がメッセージカードを捉え、慎二は愕然とする。

「慎二、あんたはその綾子の花束を受け取らなければいけないはずよ」

『その花はあんたの罪』
事情を知らない桜が居るため言葉にはしないが、凛の苛烈な瞳がそう訴えていた。
その瞳を正面から見据えて、また花束に顔を落とす。
俯く慎二の表情は士郎達からは窺い知れない。
己の行いを悔いているのか、何も知らない美綴の行動を猶も嘲笑ってるのか。

「花瓶を買ってきてくれないか、桜」

たっぷり5分は経ってから慎二は呟いた。

「わかりました、せっかくなんで駅前まで行って、良い花瓶を買ってきますね」

慎二の、そして士郎や凛の様子に只ならぬ何かを感じたのだろう。
何か聞きたそうな様子を見せながらも、結局何も聞かず桜は自分から席を外した。

「ありがとう桜、悪いな」

その言葉に凛が、少し虚を付かれた様な顔になる。

「それでは、先輩、遠坂先輩も、お呼びしておきながらお構いもできなくてすいません」

ペコリと頭を下げて出て行く桜に、何か言おうとする士郎を凛が手で制する。

「何するんだよ、遠坂」

パタンと病室の扉が閉まるのをしっかり確認してから、「バカ士郎!!」と怒鳴った。

「あんた、桜に何て言う気だったのよ、事情は話せないのに『すまん』なんて謝っても、余計あの子の疎外感が増すだけでしょうが」

「面目ない・・・」

お説教する凛と、される士郎。
お馴染みの構図だ。

「大体士郎は・・・」

「クックククク・・・」

「何よ、慎二!」

士郎へのお説教の勢いのままに慎二に食って掛かる。

「いや、遠坂、君さ、本当に学校じゃ猫かぶってたんだな・・・ってね」

猶も収めることなく笑いながら話す慎二にジロリと一瞥する。

「慎二、遠坂のアレは完全に魔法のレベルだ」

「違いない」

二人して声を出して笑い出す。
昔は良くあった風景。
けれど、こうして二人で笑うなど、何年ぶりのことだろうか。

「まさかそんな話をするために、わざわざ私達を呼び出したんじゃないわよね、間桐君?」

「あ・・・ああ、勿論だ」

いつのまにか、あかいあくまな微笑みの遠坂が二人の笑顔を消し去った。
ちなみに、士郎は「あとで覚えててね、衛宮君」という、小声のメッセージに完全に引きつっている。

「衛宮、美綴は大会に向けて、お前を部に戻そうと勧誘してたんだよな」

「ああ、そうだな。
あいつにとって最後の大会だし、期する物があるんだろうな」

「じゃあ、退院してから猛練習しなきゃな」

「ふ−ん、間桐君の力で優勝まで導くことが綾子への罪滅ぼしってことかしら」

「美綴だけじゃなく、弓道部の奴全員へだけどね」

何度目だろうか、慎二の言葉に驚かされるのは。
そうだ、さっき綾子に会ってから頭に血が上っていたが、慎二のせいで酷い目にあったという意味では、被害者は綾子だけじゃない。
学園の生徒ほぼ全員なのだ。

聖杯戦争の罪は裁けない、真相は既に言峰の後釜の手によって闇の中だ。
慎二は、その裁けない罪を、自らの手で清算するといっている。

「間桐君、少し変わったわね」

それは、先ほどの桜への対応を見た時も感じた感想。

「違うさ遠坂、昔の慎二はこんな奴だったんだよ」

「そっか、そうなんだ」

嬉しそうな士郎に微笑み返す。
慎二が変わったのなら喜ばしいことだ。
魔術からも足を洗うだろう、あとは、謝罪を受けて水に流してやれば良い。
その方が慎二のため、そして桜のためだ。

「それで私達を呼び出したのは謝罪のため、ってことでいいのよね」

「遠坂・・・」

何か言いたげな士郎に向かって、安心させるように笑みを返す。

「いいわ、勝者として聖杯戦争中に私達にしたことは水に流してあげる。
他にたくさん罪を清算すべき相手が居ることだしね。
精々反省して迷惑をかけた人に報いりなさい」

「遠坂、ありがとう」

我が事のように嬉しそうな士郎に呆れてしまう。

「慎二、俺も出来ることがあるなら協力するからさ」

「いや、衛宮、気持ちはありがたいんだけどさ・・・」

士郎自身が、慎二とは聖杯戦争前から仲違いし、確執し、逆恨みされ、弓道部を追い出されたりと、酷い目にあわされていたのに。
まったく、どこまでお人好しなのだろうか、この正義の味方は。

『でも、それでこその士郎・・・かしらね』

無意識のうちに、表情が苦笑から微笑に変わっている。
それはつまり、そんな衛宮士郎を愛おしく思っている、魔術師ではない、少女の遠坂凛の表情だった。
そんな穏やかな微笑は強張った物に変わる。

「おまえたちには謝罪する気はないんだ」

慎二の言葉が理解できない。
理解できないまま慎二の言葉が耳を叩いていく。

「魔術の基本は等価交換。
口頭の謝罪や礼なんかじゃ等価にならない、まして水に流されるわけには行かないだろ」

「・・・慎二」

慎二に向ける士郎の視線は、怒りでも嘲りでもなく、悼むような哀しい物だった。
一方の凛は何も言わない。

『ちょっと待ってよこのバカは・・・』

明晰な頭脳を誇る凛らしくも無く、慎二の言ってることがなかなか理解できない。

『あんな死にそうな目にあったのに、己の魔術師としての器の無さを思い知ったはずなのに・・・』

「慎二、あんた・・・、まだ、自分は魔術師だ、なんてふざけた事考えてるわけ?」

問質す声は大きくも激しくもなかった、むしろそういった熱量を一切含まない、底冷えするような冷徹な魔術師の言葉。
表情も同じ、能面のように冷たい、一切の感情を配した無表情。

緊迫感に傍らの士郎は固唾を飲む。
もし、慎二が臆面も無く自分を魔術師だと言い放ったなら、遠坂は本気で慎二を討つだろう。
一般人を巻き込んだ慎二は、本来隠匿を旨とする魔術師の禁を破ったのだ。
管理地において、禁を破った魔術師を処断するのは、遠坂の魔術師としての務めだ。
目の前の男が魔術師ならば、遠坂凛は躊躇わず処断する。

凛の意思は慎二にだってわかっているはずだ。
だからこそ、士郎は固唾を呑んで二人のやり取りを見ていた。

「ああ、僕は魔術師だ。
聖杯に侵された僕の神経は、擬似的な魔術回路となってくれた。
つまり、魔術回路を持ち名門間桐の血と知識を継ぐ僕は、立派な魔術師だ」

臆面も無く、気負いも無く、真直ぐ凛の目を見ながら慎二は言い放った。

「あんた・・・」
「遠坂、止めろ!!」

魔術刻印を輝かせ、指先を慎二に向けた凛を、士郎が慎二を庇うように立ち塞がり取り押さえる。

「離しなさい、衛宮君、これは遠坂の魔術師としてすべき事よ、邪魔をしないで」

あくまでも静かな、冷静なままの凛の言葉だけに、士郎は一際の凄みを感じる。

「そう、衛宮、邪魔をしないでくれないか」

意外な、あまりにも意外な慎二の言葉に、凛を抑えたまま首だけを慎二のほうに向ける。

「これは、遠坂の魔術師と間桐の魔術師の間の話し合いだ。
悪いけど部外者である衛宮はどいててくれよ」

嘲りでも、混乱でもなく、策を張り巡らせているでもない、ただただ真剣な慎二の表情が理解できない。
凛という少女の感情ではなく、遠坂の魔術師としての理性が先立って起こす行動だ。
自分がここをどいたら、遠坂は確実に慎二を撃つだろう。
それがわからないほど、慎二もバカではないはずなのに。

「遠坂は撃たないよ」

慎二の言葉を受けて、『ええい、儘よ』と凛の体から離れる。

「な、撃たないだろう?」

慎二の言葉どおり、凛はガントの体勢のままで、次の行動に移ろうとしない。

「どうして・・・?」

魔術師ならば当然下すべき決意を、この少女が妨げるような要因は一つもないはずなのに。

「魔術師だからだよ・・・」

慎二の言葉に凛は何も言わない。

「魔術師って奴はね、衛宮。常に合理的なんだよ。
第一に、今の僕は遠坂に比べてあまりにも無力だ。まして、ライダーが居ない今、僕は学校を巻き込むような大規模な魔術行使もできないしね。
第二に、聖杯が原因で変質した僕の身体は貴重なサンプルだ、もしかしたら魔法に通じるかもしれないサンプルをみすみす破壊するのは惜しい。
ならばせっかく助けた命だ、間桐ほどの名門に大きな借りを作っておいても損は無い。
魔術師なら必ずこう考えるはずだ。
遠坂が感情に流されない、優秀な魔術師だからこそ僕は安心していたってわけさ」

「・・・そうなのか、遠坂?」

一般人を巻き込んだ事への罰より、魔術の追求を選ぶ。
それは、魔術師としては当然なのかもしれない。
それでも、士郎は遠坂に否定して欲しかった。

何故なら、それは目的のためなら手段は選ばないということだから。

衛宮士郎が憧れた遠坂凛は、優秀な魔術師であってもそんなことは決してしない。
自分も回りも納得せざるを得ないような、正道を歩むと信じているから。

「何よりも大きな理由としてさ、僕に何かあったら桜が哀しむだろうからさ」

何も応えない凛に変わって慎二が呟いた。
ピクリと、今まで何の反応もしなかった凛に始めて変化が起こった。

「桜が哀しむから?」

士郎の知る限り、確かに遠坂と桜はそれなりに親しげに見える。
自分のほかに凛が呼び捨てにする相手は、あとは美綴くらいのものだろう。
だとすれば、桜とはかなり親しいのかもしれない。
それでも釈然としない。
遠坂の魔術師としての矜持の高さを良く知っている。
凛という少女の感情よりも、遠坂という魔術師の理性を重視しようとするはずだ。

友人の兄というだけで、友人が哀しむからという理由だけで、魔術師としての判断を鈍らせるなど有り得ない。
桜と凛の関係は、士郎が知る限りでは、その有り得ない結論を納得させるほどの物ではないはずだ。

「・・・必ず借りは返しなさいよ、間桐君」

「ああ、必ずね。じゃあな、遠坂」

くるりと踵を返し病室を後にしようとする。

「士郎、行くわよ!」

釈然としない。

「待てよ、遠坂」

だが、それでも、最初に慎二が挙げた2つの理由よりもずっと心地よく、遠坂らしいと思えた。
だから、それでいい、そう思い少女の後を追った。


「待てよ、衛宮」


慎二の言葉でドアノブにかけられた凛の手が止まる。

「何、勝手に帰ってるのさ、衛宮」

「まだ何か用があるのかしら?」

振り向かずに応対する遠坂の声からは、これ以上ここに居るのなら、いつ、慎二にガントを撃つかわからない。そんな、雰囲気が見て取れた。

「いや、遠坂にはもう用は無い。
間桐の魔術師として挨拶は済んだからね。
僕を攻撃する前に早く帰って欲しいくらいさ」

「俺にも何か用があるのか?」

士郎は自らの声が、警戒心を露にした硬い物になっているのを感じた。
ほんの少し前、昔のような関係に戻れるかもしれないと期待したのに、せめてギズギズした関係からは脱却できたと思ったのが嘘のようだった。
慎二は士郎に頷きながら凛にも声をかける。

「どうしたのさ、遠坂。
お互いもう用は無いはずなんだけどな・・・」

言外に出て行けと言っているのはわかっている。
正直、凛だってここにはもう居たくない。
癪な話だが慎二が言うとおり、いつ、感情が理性を駆逐して慎二を攻撃するかわかったものじゃない。

クスリ、と小馬鹿にしたような笑みが慎二に浮かぶ。

「そんなに衛宮が信用できない?」

それだけで、今すぐに攻撃してやりたい衝動に駆られる。

「それとも、衛宮が僕に何かされると恐れてるわけか・・・」

「士郎があんたなんかに何かされるわけ無いでしょ!」

「じゃあ、やっぱり衛宮が信用できないからここに残ってるのかな。
そうだよな、底抜けにお人好しの衛宮じゃ、また僕に唆されて騙されるかもしれないもんな」

「あんたなんかに何度も騙される程、士郎はばかじゃないわよ」

底抜けのお人よしではあるけれどね。
士郎を信用している。
それでも、士郎の慎二への一連の行動を省みるに、やはり慎二と二人にすることに一抹の不安を感じざるを得ない。

「遠坂、悪いんだけど先に帰っててくれるか」

「士郎・・・」

『大丈夫』、そう訴えかけるような力強い頷きは、とても頼もしくてやはりあの紅い騎士を思い起こしてしまう。

「わかったわ、先に帰ってる」













パタン、と軽い音をたてて扉が閉じられる。
コツコツと遠ざかっていく足音が、完全に聞こえなくなったのを確認して、士郎は慎二に向き直った。

「改めて聞くけど、慎二、俺に何の用があるんだ」

「だいぶ日が長くなったな」

紅く染まった空を慎二はじっと見ている。

「ああ、ようやく冬木の長い冬も終わるからな」

つられて士郎も真っ赤に染まった風景に目を転じた。



窓の外には、真っ赤な夕焼け。
世界を染めつくすような赤色が病室を、そして、何よりも士郎の視界をも染め上げていた。

赤く染まった病室は、まるであの剣の丘のようだ。
自分であって、決して自分でない、理想を極めた果てにある心象風景。

変わらずに外を眺めていた慎二が、ポツリと呟いた。
士郎は思わず耳を疑った。
士郎から彼の表情を窺うことはできない。
したがって、彼の漏らした一言が、何を指しているのかわからなかった。

「ありがとう」

そんな士郎の沈黙を聞こえなかったと判断したのか、彼は先ほどと違い、今度ははっきりとその言葉にした。
振り向いた彼の表情に悪意はなく、その歪んだ口元に嘲弄は無かった。

それは、およそ彼らしくない微笑。
いつも誰かを見下し、小ばかにしたような冷笑ではなかった。

それは、およそ彼らしい微笑。
4年前、初めて出会ったときに見せた、少し皮肉気で、でもまっすぐな笑顔。

それは確かに、親友とも呼べる程に親しく付き合っていた慎二の、あのころの笑顔だった。

「俺と遠坂には、謝罪も礼もする気が無いんじゃなかったのか?」

慎二の真意がつかめないまま、思ったことを素直に返す。

「ふふ、随分と皮肉な物言いだな、衛宮。
遠坂の影響かい?」

哀しそうな表情のままじっと士郎を見つめる慎二。
ここに居る自分ではなく、遠くに居る誰かを見るような瞳。
それは、自分の向こうに、あの赤い騎士を見つめる遠坂の瞳に似ていると士郎は思った。

「でもさ、お人よしでバカ正直なくせに妙に頑固なお前にはさ、やっぱり皮肉気な口調や表情は似合わないぜ」

慎二は何を言おうとしてるのか・・・

「お前はさ、バカみたいに正義の味方なんて物を目指してて、いつも他人のことばっかりで自分のことなんて頭にもなかったけどさ」

慎二が何が言いたいのか・・・

「僕はお前の理想についてどうこう言う気は無かった。
お前がそれを目指しているなら好きにすれば良い、そう思ってた。
どうせ、何を言っても聞きやしないのは、初めて会った時に嫌と言うほど思い知ったからさ」

校内でも有名な便利屋だった衛宮士郎。
掃除から修理、雑用まで一切合財を無報酬で引き受けてくれる便利な男。
そんな男を利用しようとする奴はいくらでも居た、だから朝はいつも誰よりも早く来て、帰りはいつも誰よりも遅い。

そんなある日、ひょんなことからたった一人、夜を徹して看板を直し続けることになった。
黙々と作業を続ける衛宮士郎、その横でずっと悪態を吐き続けていた間桐慎二。

それが二人の出会いだった。

「衛宮、お前バカだけどさ、良い仕事する奴じゃないか」

結局一晩中手伝おうとしないで、悪態を吐いていた慎二が、一人で仕事を終えた士郎に向けた言葉。
あの時と同じ言葉を、あの時とぜんぜん違う、悲しみというよりは怒りに近い表情で慎二は口にした。

「だからさ、自分にさ、自分のしてきたことに絶望するなんてお前らしくないんだよ」

慎二の言葉は衛宮士郎に向けられた物に間違いない。
けれど目の前の衛宮士郎は、自分のしてきたことに絶望なんてしていない。
歪んでいようと、壊れていようと、例えそれが偽物だったとしても、貫いてきた思いには間違いなんて無い、そう信じているのだから。

自分自身に絶望していたのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自分ではない、もう一人の『エミヤシロウ』。
















































「衛宮、お前バカだけどさ、良い仕事する奴じゃないか」

扉越しの会話のために、凛には発言した人間の表情はわからない。

「だからさ、自分にさ、自分のしてきたことに絶望するなんてお前らしくないんだよ」

でも、一連の慎二の言葉を聞いていて、わかったことが一つだけある。


慎二は気がついている。


聖杯戦争中に出会ったアーチャーが、エミヤシロウであることに。

自分自身である士郎は元より、マスターである自分ですらなかなか気がつけなかった、アーチャーの真名。
それを慎二は、アインツベルンの古城での僅かなやり取りの中で気がついたのだろうか。

ずっと盗み聞いていた会話は、士郎と付き合いの浅い凛には入れない、士郎の過去の思い出だった。

悔しいけれど認めざるを得ない。
凛よりも慎二の方が、今は衛宮士郎を理解しているかもしれないことに。

慎二が変わったことには気がついていた。
だから、きっと士郎と二人にしても、なんら士郎に危険が無いことくらい承知していた。
ならば、何故自分は慎二と士郎を二人だけにしたくなかったのか。
わざわざ気配を殺してまで二人の会話に聞き耳を立てているのか。

魔術師らしくない、不合理な行動に歯噛みする。
だって、それをさせているのは、今もこうして遠坂凛の胸に去来する、自分には無関係だと思っていたあの感情なのだから。

感情の名は嫉妬。
士郎を独占したい、いつでも士郎の一番で居たいという焼餅なのだろう。

苦笑してしまう、そんな子供っぽい独占欲や、男にすら嫉妬している自分自身の心のありように。










「慎二お前、気がついてたのか・・・」

同じ結論に辿り着いたのか、士郎からも驚愕の声が上がる。

「ふん、相変わらず気が利かないな。
僕はもう疲れたんだよ、それにもう面会時間も終わりだぜ衛宮、とっとと出て行ってくれないかな」

猶も問うような視線で見つめる士郎の視線から逃げるように、再び窓の外に目をやり、慎二は独り言のような小さな声で呟いた。

「バカ正直な衛宮の下手糞な嘘で、この僕が騙されたことなんて昔から一度だって無かっただろ」

慎二らしい皮肉な言葉に、かつての暖かな感情が見え隠れして、士郎は思わず頬を緩める。
英霊化しようが、歪もうが、衛宮士郎は衛宮士郎なんだと言ってくれた、それが何故だか嬉しかった。

「ああ、すまなかったな慎二、お大事に。また来るよ」

何か言いたそうな逡巡の後、考えがまとまらずに、それだけを口にして出て行こうとする士郎。

「もう来なくていいよ。そうやって、遠坂にも言っといてくれ。
もっとも、わざわざ言わなくても聞こえてるかもしれないけどね」

扉の向こうで、不意にガタンと音が立った。

「・・・・・・遠坂か?」

「さあね、ネコかもしれないぜ。気が強そうな赤い子猫かもな」

澄ましたような微笑で、小ばかにしたような冗談を叩く。

「俺は何にも感じなかったぞ」

「だから、衛宮はバカ正直だって言うんだよ。
遠坂が僕と衛宮を二人っきりにするわけ無いだろ。
だから、カマかけたんだよ」

「じゃあ・・・」

「そ、聞き耳立ててた誰かさんは、自ら馬脚を現したってことさ」

耐え切れずに二人で笑い声を上げて笑う。
慎二は傷に響くのか、時に顔を歪めるが、それでも笑いは収まらない。

いきなり、昔のようには戻れない。
今もなお魔術師を名乗る慎二とは、既に道は別たれてしまい、二度と交わらないのかもしれない。
それでも、こうして今は笑いあえている。
例え今だけだとしても、慎二とこうしていられることが士郎は嬉しかった。






「随分楽しそうですね」

買ってきた花瓶に、桜はさっそく花を逝けている。

「桜、悪かったな、ありがとう」

「あれ、遠坂も一緒だったのか?」

所在なさげな遠坂を横目に、士郎はわざとらしく声をかえた。

「はい、遠坂先輩とは先ほど一階のロビーでお会いしたんです。
ところで、笑い声が響いてましたけど何か面白いことでもあったんですか?」


桜の言葉に慎二と士郎は顔を見合わせ笑いあい、凛は顔を赤く染めて不貞腐れたようにそっぽを向いている。


しばしの談笑。
桜が、呟いた言葉はすぐ側に居る凛にしか聞こえなかった。

「・・・よかった」

「なにがよ、桜?」

「いえ、兄さんと先輩が昔みたいに笑いあってるのが嬉しくて」

「・・・・・・そうね」


涙ぐみ、嬉しそうに微笑む桜に、そして屈託無く笑う士郎に、凛も思わず笑顔になる。

慎二と笑いあう士郎の表情。
それは、朝焼けの中に消えた、あの赤い騎士の最後の笑みと瓜二つだったから。

和やかな病室を出て士郎と二人家路に着く。
空には星が瞬き、世界を染め上げた赤色は、もはや影も無い。
赤色に染まる荒野の果てに答えを得たエミヤシロウ、願わくば慎二の言葉が彼にも届いていることを祈りたい。
変わってしまった彼を見て、それでも、彼がしてきたことを『良い仕事』だと、認めてくれたかつての友が居たことを。


そんな願いを瞬く星に託す。
太古から変わらずに瞬く彼ら、過去かはたまた未来か、赤色の弓兵がいつか空を仰いだ時、この伝言を伝えてくれることを信じて。


魔術師の後書き

hollow終了後にプロットを練った慎二と士郎のSSです。
私はヒロインクラス以外の別キャラと話を絡めて書きたい場合、士郎のお相手は凛が一番書きやすいみたいです。
ま、今回の話は凛をヒロインにするしかないんですけどね、他のルートだと死んじゃうから、慎二が。

今回書きたかったのは、一番は慎二と士郎の付き合いの深さなんですけど、どうでしょ?
あと、これはふと思ったことなんですが、かつてのように仲が良い慎二が側に居れば士郎はアーチャーにならないんじゃないかってことです。

例の徹夜で・・・って士郎と慎二の出会いのシーンで思ったのは、慎二は士郎の行動を『バカなこと』と思っても、それを肯定してるんですよね。
その後、士郎を都合よく利用する奴らを社会的に抹殺していくわけです。
つまり、士郎を変えるんじゃなく、士郎を取り巻く環境を変えてるわけですよ。
誰からも理解されなかったアーチャーですが、慎二は彼(エミヤ)の在り方を肯定してるんじゃないかなと感じたんですよね。
ま、看板作りと100を助けるために10を殺すマキャベリズム(?)を同等に考えるなよ!って部分はあるんですけどね。

だから、私の妄想です。
結局入れられなかったけど、慎二が凛に向かって

「エミヤは好きなように正義の味方をすればいい。
僕も好きで、エミヤを利用する奴を抹殺しただけさ」

「僕はもう道を別ったから何もしない。
だから、こいつをあいつにしないために、エミヤを変えるだけじゃなく、取り巻く環境を変えていくのも君の仕事だろ、遠坂」

みたいなやり取りを入れられなかったのが残念だなぁ。
構成力の無さを感じるけど、これでも無い時間をやりくりして、何度か書き直した結果なんで、ご勘弁。