浴衣萌えの私のリクエストを聞いてくれてありがとう!!
いや、堪りませんね
しかし、セイバーは色気より食い気
きっと、祭りの情緒より焼きそばたこ焼き綿菓子・・・と、買い食いに勤しんでいることでしょう(を
今回はちょっと真面目にSS書くぞ
カラン・・・と、士郎の隣で、下駄の音が乾いた音を奏でる。
冬木の町にある神社の夏祭り
まさか、女の子と二人で夏祭りに訪れることになるとは、春には夢にも思わなかった。
それも、金髪碧眼な女の子と、となると、一生のうちにそんなことがあるかどうかすら、想像も出来なかったことだ。
いつもの、清楚な服も良く似合っているが、今日の浴衣姿も溜息が出るほどに綺麗だ。
金髪と浴衣、本来中々ありえないような組み合わせにも拘らず、セイバーの金糸の様な髪を一際映えさせる藍色の浴衣を選んだ遠坂のセンスには脱帽させられる。
「うわあぁ!綺麗ですね、士郎」
「そうだな、セイバー」
夜空に輝く大輪の華
赤、青、黄、緑、紫・・・・・・・・・
花火が上がるたびに、光を受けて輝きを変えるセイバーの髪
「問おう、貴方が私のマスターか?」
薄暗い、土蔵の月明かりの下で見た、セイバーの美しさに息を呑んだ
それは、刃の様に研ぎ澄まされた先鋭的な美
しかし、セイバーの笑顔を、拗ねた顔を、たくさんの顔を見て、たくさんセイバーの事を知っていくうちに、俺は思いはじめたんだ
今の無邪気な顔こそが本当の彼女なんだって事を
セイバーではない、アーサー王ではない、アルトリアとしての表情
花火に夢中のセイバーの手をそっと握る
「シ、シロウ!?」
「来年もさ・・・」
「その手を・・・離してください・・・恥ずかしいです」
「来年も再来年もこうして二人で花火を見れたらいいな」
「・・・そうですね」
無意識にキュッと強く握り返してくるセイバー
照れているその顔があまりにも可愛すぎて
「これじゃあ、手は離せないなぁ」
からかわずには居られない
慌てて手を離そうとするセイバーの手を逃がさないようにそっち握る
「だからさ、当分の間は一緒に居たいんだ」
自分の顔がカーッと熱くなってるのがわかる
「そうですね、この手をしっかり捕まえていてください」
ニッコリと笑うセイバーの後ろで、最後を飾る花火が夏の終わりを告げていた。
・・・・・・きっと来年も二人で花火を見にこよう
花火に負けない、未だに咲き誇っている隣の華にそっと口付けを交した夏の思い出・・・
照れ臭い話だなぁ(汗
恒例ですが、拍手なら『茜屋さんへ』と、銘記よろしく