月姫ショートコント


嫉妬


シエルルートにて



「それじゃあ遠野君、私はしばらく留守にしますね。

2週間分の食料とかはきちんと、用意してありますから…」


「うん…、行ってらっしゃい…」


「それと遠野君、私結構嫉妬深いから…」


「うん?」


「浮気したら…殺すわよ…」


「……先輩…、それゲーム違うよ…(汗」




眩暈


クラァッ…


突然、志貴の視界が真っ黒になる…


『ヤバイ…授業中に貧血になるなんて久しぶりだな…』


慌てて机を掴もうとするがその力もすぐに抜けて行く…


ガシッ


「大丈夫か…?遠野…」


「有彦か…。すまない…」


「辛い時は無理せずに言え。お前が貧血を起こしそうな様子はすぐにわかる…」


俺を支える有彦の腕に心なしか力が篭る。


「俺はずっとお前を見てるからな…」


有彦のその発言に、クラスの連中は引いている。


そんな周りの反応に有彦は?を浮かべている。





『親友…、頼むから誤解を生む発言は止めてくれ…』



そして志貴の意識はそのまま飛んでいってしまった…





紅いタタリ




「気をつけてください、志貴。
タタリはおそらくあなたの恐怖を具現化するはずです」


シオンの言葉に思わず冷や汗が流れる。

やがて、タタリはひとつの形を形成し始めた。
この遠野志貴にとって最も恐ろしいものに。

ゆっくりとシルエットが浮かび上がる。



細いからだ



「どうやら、女性のようですね」

シオンの言葉にドキンとする。



腰まである、長い髪



「良かった。真祖ではないようですね」

シオンの言葉に少しだけ安堵する。

『でも、だれなんだろう?
堕ちたアルクェイド以上に俺が恐れている相手って』

「あれは、遠野秋葉ではないですか?」

確かに浮かび上がったシルエットは秋葉そのものだ。


あの凛とした佇まいとい、腰まである長く、そして紅い髪とい・・・

なによりもあの『なだらかな胸』とい・・・


遠野屋敷

「クシュン」

「秋葉様、お風邪ですか?」

                コロス
この時遠野秋葉は志貴を 略奪 決意をした





紅いタタリ その2





タタリが、何かを形作り始めた。
黒い塊が、ゆっくりとシルエットに収束し始める。



細いからだ



「どうやら、女性のようですね」

シオンの言葉にドキンとする。



腰まである、長い髪



「良かった。真祖ではないようですね」

シオンの言葉に少しだけ安堵する。

『でも、だれなんだろう?
堕ちたアルクェイド以上に俺が恐れている相手って』

「あれは、遠野秋葉ではないですか?」

確かに浮かび上がったシルエットは秋葉そのものだ。


あの凛とした佇まいとい、腰まである長い髪とい・・・

「相手は、紅赤朱とかした秋葉か・・・」

強敵だ、アルクェイドじゃないからといって、気を抜けばすぐに殺される。


やがて、完全にタタリは秋葉を形どった。

「!?紅赤朱ではない」

シオンが言うように髪の色が・・・・・・黒い、普通の秋葉だ。

「志貴の恐怖とは一体?」
シオンの疑問は即座に氷解された。



タタリの秋葉に志貴が挑むように動いた。
その瞬間に



「にいさん、私に逆らうんですか?
小遣いを減らしますよ



志貴の恐怖、それは今以上に金欠だったとは・・・


「予測どおりです」

「嘘つけ!」

「志貴の経済状態を考えれば・・・予想の範疇でした」






「・・・・・・・・・・」



男の責任





「志貴君」

「弓塚・・・か・・・・・・」

自分が殺したクラスメート
弓塚さつき、その弓塚が今目の前に居るなんて・・・


夢か・・・現か・・・幻か・・・


例えそれが『ワラキアの夜』という、タタリでもかまわない。

遠野志貴はどうしても彼女に伝えたい言葉があったのだから・・・


「弓塚、俺はお前をこの手で・・・」

「気にしないで志貴君」

さつきは、優しく微笑んだ。
それは、生前彼女がクラスメートに見せていた微笑そのものだった。

「でもね、遠野君・・・」



「私を殺した責任、取ってもらうわよ」




「待てや、おい!!」