『 冥府 』
昨日は楽しいピクニックだった……『アレ』を食べるまでは……
………
……
…
「はい、耕介さん♪」
俺の隣に座った愛さんが、持っていた包みを開いた。
弁当だよな?
しかし……なんだこの異様な匂いは!?
ムヮ〜ン
「(うっぷ……な、なんだこれは!?)」
「あ〜ん♪」
「………」
俺に『コレ』を食えというのか!?
……っていうか、これは食い物なのか!?
「(うえぇ〜っ! 気持ちワルッ!)」
「ん? 何か言いましたか?」
「な、な、なんでもありません!」
とてもじゃないが食べ物には見えない。
しかもだ……料理に顔らしきものが浮かび上がってるんだが……
呪いか?
「………ん?」
「どうしたんです?」
( ゚д゚)
ん?
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
あれ?
(つд⊂)ゴシゴシ
_,
._
(;゚ Д゚) …?!
「いえ……肉団子に顔があるのが気になって……」
「顔なんてありませんよ?」
……違うのか?
まさかワザとだったとは……嫌がらせですか?
「どうしたんです? はい、あ〜ん♪」
「(うぷっ!)」
ていうか、『ソレ』を近づけないでください!
匂いだけで意識が飛びそうです!
「遠慮しないで下さいよ。 私たち恋人同士なんですから」
「そ、そうですね……」
恋人とかそういう問題じゃないんですよ。
あぁ〜、心の友の相川君……俺はどうすればいいんだい?
心の中の真一郎『……覚悟を決めて食べなさい』
なんですとっ!?
覚悟とかそういう問題なのか!?
………でぇーいっ!
鼻をつまめば美味いかもしれん!
「………(ごくっ)」
しばし、肉団子と見つめあう。
……肉とこんなに見つめあう俺って……
「………キシャァァ〜」
無理だ!!
………だが、愛さんは俺の恋人だ。
ここは信じて食べるべきじゃないのか、オレ!?
「てぃっ!」
勢いに任せて、全てを頬張る。
その瞬間……
「うおっ!? ぐふおぉぉぉぉぉ〜〜〜〜っ!!!」
口内に広がる、この世の物とは思えない塊と汁。
すぐさま吐き出そうと試みるが………
………気を失った。
そして、オレは冥府を彷徨ったのだった。
FIN
お礼の言葉
リンさんありがとうございます。
いや、愛さんと付き合ってると、命がいくつあっても足りませんな。
確か、原作でお弁当作ってもらった時はこんなに酷い出来じゃなかった気が・・・・
やはり、SS世界で構築された『愛さんの料理=大量破壊兵器』の法則は恐ろしい。
まあ、一番の突っ込みは耕介さんが心の中に『真一郎』を住まわせてるって新事実だけなんですがね(を
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