カポーン


なんて擬音が頭に響く。

見上げれば星が瞬き、月が謳う。
森を渡って来た風が、火照った身体に心地よい。

「こんな良い露天風呂を閉鎖してるのは、勿体無いよな」

思わず独り言が漏れる。

「もっとも、翡翠も琥珀さんも掃除が大変だろうしな」

ここは遠野家の露天風呂、いつもは閉鎖しているのだが、珍しく今日はこちらの風呂が用意されていた。


カポーン


それにしても、と遠野志貴は考える。

「風呂の擬音がカポーンって言うのは誰が考えたんだろうな」

やや白く濁った温泉の湯を掬い、顔を洗う。

「静寂を表す時のカコーンはまだわかるよ、うん」

料亭とかにある、鹿威しの音だけど、何となく理解できる。
ああいうのがある場所って、イメージ的に高級そうな場所で、あんな物の音が響くくらい
静かな場所って感じがする。

もちろん、何の脈絡も無くこんな事考えているわけではない。


「・・・いらっしゃいます、兄さん?」


蚊の鳴く様な声がする。

「あの・・・兄さん?」

小さな声が、ほんの少しだけボリュームが上がる。
それが、彼女が声を大きくしたのではなく、発生源が近づいていると言うのは、
湯煙の向うに見える影が、徐々に近づいてきていることからわかる。

「ああ、秋葉。
ここに居るけど・・・」

チャポンと、水音が聞こえる。

「え、おい、あの秋葉!?」

声が上擦る。
ドクンドクンと心臓の音がうるさい。

「まさか、一緒に入るのか?」

言葉にならない独り言が、湯煙の向うに薄っすらと見える秋葉の肢体を前にした生唾と共に喉の奥に嚥下していく。

「ああ、兄さん、そちらですか」

一歩近づいて、そこで礑と足を止める。

「ん?どうした、秋葉?」

「いえ、その・・・」

しどろもどろとなりながらも、一向に近づいてこない秋葉。
その理由に思い当たる。
何て事もない、自分と同じで、温泉で二人きりというシュチュエーションに、激しく照れているのだ。

「あの、兄さん此方にいらして下さい」

観念したのか、秋葉が意を決したように自分を呼び寄せる。
自分から近づくのではなく、相手に来てもらう事にしたのは、近づく勇気が出なかったからか。

「え!?」

ドクンと先程よりもさらに激しく心臓が跳ね上がる。
此方へ、と秋葉は言う。
彼方には、秋葉が居る。
秋葉が居る、それも入浴と言う事は、一糸纏わぬ秋葉が居ると言う事だ。

ドクンドクンと、全力で其方に向かおうと興奮する心臓は空回り、まるで真空に放り出されたように、酸素の供給が追いつかずに呼吸が荒くなる。

何故、こんな事になったのだろう。

「あの・・・兄さん?」

いつまでも自分の傍に来ない兄に、不安そうな疑問の声を挙げる。
一歩ずつ近づく。
眼に飛び込んでくるのは、白い肌。
もう一歩近づく。
タオルに隠された慎ましやかな膨らみと真っ赤になるほど恥ずかしそうな表情。

「兄さん」

不安げな表情に理性の箍が外れそうになる。
長い髪を結い上げた髪が、いつもと違う秋葉という印象を益々強調する。
少女のようなほっそりとした身体のラインと、日頃隠された白いうなじに眩暈がする。

本当に、何でこんな事になったのか・・・
本能を抑えるために、必死に理性を動員する。
こんな事になった理由は勿論、あの人。
きっと彼女はどっかで見てる。
照れる秋葉を、困る俺を、何処かから見て楽しんでるはずだ。

じっと自分を落ち着かせるために深呼吸、貴女の思い通りになりませんよ、琥珀さん!


しゃんぷー・ぱらだいす

《月姫 秋葉編》


【数時間前】




「何を話しているんです?」

居間で琥珀さんとお茶を飲みながら談笑していると、秋葉が不思議そうにしていた。

「秋葉様、洗髪の話ですよ」

「洗髪、ですか?」

琥珀に差し出された紅茶に口をつけながら、首を傾げる。

「そう、床屋とかで人に頭を洗ってもらうと、どうしてあんなに気持ち良いのかなって話だよ」

「自分で洗うのと、どうしてあんなに違うんですかね?」

盛り上がる二人とは対照的に秋葉は静かに紅茶を口に運んでは、時折きょとんとした顔で二人を見ていた。

「どうした?秋葉は人に髪を洗われるの苦手なのか?」

その問いに秋葉は首を振りながら否定の意を表す。

「そうか、秋葉の綺麗な髪を、人に触らせるのが嫌とかそういうことか?」

「綺麗、ですか?」

何故か、少し視線を泳がせながら再確認してくる妹に、強く頷く。

「ああ、流れるような黒髪って言うのか?
とにかく、綺麗だし、触り心地もよさそうだし、手入れとか大変なんだろうなって思うよ」

「兄さんさえ良ければ、いつでも触っていただいてかまわないんですが」

「え?」

蚊の鳴くような呟きは、志貴には届かず、訴えるような視線は当然朴念仁には伝わらない。

「何でもありません」

ぷいと、照れ隠すように、鈍感な兄に呆れたように視線を転じる。
その秋葉の態度に不思議そうな志貴の耳に、クスクスと合点したように呟く琥珀の笑いが擽った。

「そうですよね、良く考えれば秋葉様の髪の手入れは、全て私がさせていただいているんでした」

「そうなんですか?」

「だから、そもそも秋葉様は、御自分で髪を洗われた事が無いんじゃないでしょうか?」

視線で確認すると、頷く秋葉に思わず息を吐く。

「あ、でも、秋葉暫く寮で暮らしてたんじゃないのか?」

自分の着想に、自分で苦笑する。
超が付くお嬢様校の浅上女学園だ、生徒専属の美容師が居ても不思議じゃない。

「髪って、誰かに洗ってもらう物だとばかり思ってましたけれど・・・」

パックの飲み物の時もそうだが、秋葉の事を超が付くお嬢様だと認識するのはこういう時だ。
心配になると同時に少々不憫になる。
自分なんかよりも遥かに頭がよく、出来が良いからといって、まだ高校生なのに、遠野なんていう馬鹿でかい物を背負わされている秋葉。
自分が遠野から逃げ出して、気楽に日常を謳歌していた、それは、遠野志貴が秋葉からはそんな当たり前の日常を奪ったということだ。

だから、せめて自分くらい秋葉に、当たり前の日常を伝えてやりたいと思うのだ。

「おいおい、秋葉。
だったら、俺の髪は誰が洗ってると思ってたんだよ」

そんな気持ちは、冗談めかした言葉に隠す。
秋葉は俺に負い目など感じて欲しくないはずだ。
俺も、秋葉に教えてやる、なんて偉そうな気持ちは欠片もない。

「え、兄さんの髪は、翡翠が洗っているんじゃないんですか?」



秋葉の言葉に居間に一瞬の沈黙が訪れる。

「いや、それは、いくらなんでも問題が・・・」

「だって、翡翠は兄さんつきの使用人でしょう」

何か問題でも?とコクンと小首を傾げて疑問を呈する秋葉は、妹ながら犯罪的に可愛らしい。
って、そうじゃなくて・・・

「いや、いくら使用人でも、翡翠に髪を洗わせる訳にはいかないだろう。
それは、セクハラとかそういうレベルじゃないだろ」

「え?」

秋葉はむしろ、俺の言葉に驚いたように眼を見開いている。
何故だろう、壊滅的に話が噛みあわない。

「秋葉、お前は翡翠に俺と一緒に風呂に入れと?」



再び沈黙。

「は?」

そして、虚を突かれたような声と共に漏れた吐息。

「ええ〜〜〜!?」

驚きと、悲鳴と、硝子が砕けた音。

「兄さん、見損ないました!!」

そして、罵声に至るまで、時間にして恐らく30秒。

「翡翠に湯浴みを命じるなんて、兄さんは何を考えているんですか」

顔を羞恥と怒りで真っ赤にして睨みつける我が妹に、いつもの凛とした面影は欠片もない。

「いや、だからお前が言ってるのはそういうことだろ?」

どうしてここまで噛みあわないのか、不思議に思いながら、苦笑を反す。

「志貴様も秋葉様も勘違いなさってますね」

アハ〜、なんて笑いながら、秋葉が取り乱して落としたティーカップを片付け、代わりのお茶を差し出す琥珀さん。

「志貴様、私は秋葉様の髪をお手入れする際に、何も一緒に入浴しているわけではないですよ。
そして秋葉様、一般家庭では洗髪台なんてございませんから、恐らく志貴様は、髪を洗うのは入浴時というイメージをお持ちなんですよ」

ピシャリと噛みあっていなかった要点を指摘し、混乱を収める琥珀さん。

「なるほど、言われてみればここには洗髪台くらいあって当然ですね」

「そうですか、洗髪台が無い家庭では、お風呂場で髪を洗う物だったのですね」

納得の頷きを返す二人に満足気に微笑む。
でも、この人、絶対にわかってて黙ってたな。
そんな所感を込めて、ジト目で睨むと、琥珀さんと眼が合った。
笑顔の裏に、黒いオーラのような瘴気のような物が漂っている気がする。

「そうだ、秋葉様、たまには人の髪を洗ってみるのもいい経験ではないでしょうか?」

「はい?琥珀貴女何を・・・」

「はい、志貴様はこの屋敷に来てからも、御自分で入浴中に髪を洗ってらっしゃるようですし、
遠野家の長男という自覚を持っていただくためにも、ここは秋葉様に一肌脱いでいただくしかないかと」

意味がわからない!
文字通り人肌脱ぐとか、上手い事言ってる場合じゃない。
琥珀さんの怒涛の勢いに押されてしまいそうになるが、良く考えなくても支離滅裂で意味不明だ。

「そもそも、遠野家の長男として髪を洗われなきゃいけないって言うなら、
当主の秋葉が髪を髪を洗うってところから本末転倒じゃないか」

「そうですね」

無限に有るツッコミポイントの中から、最も現実的且つ秋葉を味方につけられるものを選んだつもりだけに、妹の同意に頷きを返す。

「兄さん、特別に髪を洗って差し上げます」

つもりだっただけのようだ。

「いや、待て、秋葉。
明らかに理論的に問答無用でおかしいだろ!?」

「良いですから!恥ずかしがらずに、建前なんて捨ててしまいましょう!ね?」

なおも食い下がる俺が見えないかのように、秋葉の心はここにあらずだ。
深い溜息をつき、呆れの感情を控えめながら表する俺に、囁かれた言葉。

「私の可愛い翡翠ちゃんと一緒にお風呂に入ろうなんて・・・」

ゾクっとする、ニコリといつもどおりの笑顔。
なのに、「許しませんよ」なんて、呟くよりも小さな声が、まるで無限の怨嗟のようで、琥珀さんの笑顔の向うに虚無の淵を幻視した。

先程の瘴気は見間違いではなかったらしい。
なんか、居間なのに箒とかマジカルとか見えてる気がする。

「ご安心ください」

変わらない笑顔なのに、先程までの瘴気のような物が霧散して、いつもの琥珀さんらしい陽気な笑顔が、本当に安心させるように輝いた。

「翡翠ちゃんのことをあれこれ考えないですむよう、志貴さんには特別な桃源郷を用意しておいてあげますよ」

別に翡翠の事をあれこれ考えてなどいないのだが、こっちの言い分など聞く耳持たずな琥珀さんが、眼を輝かせている。

「さて、しばらく使ってなかった離れの露天風呂にお湯を張らないと・・・」

「え?露天・・・」

「知っていますか、志貴さん。
昔の宮中には御匣殿なんて役職がありましてね」

それは古典の授業で聞いた事がある。
確か、天皇の髪や衣服のお世話をする女性で、転じて妃の別称ともなったとか・・・。

「って!?」

「うふふふふ、楽しみにしててくださいね、志貴様」










「あの・・・兄さん」

秋葉の消え入りそうな声で、ようやく現実に戻ってくる。

「あ、ああ・・・なんだ、秋葉」

呼ばれて秋葉の方に視線を転じる。
途端に眼に飛び込んでくる鮮やかな白。
白いバスタオルと、僅かに朱に染まった肌、コントラストを為す烏羽色の髪が、脳髄を焼く。

「あの兄さん、そんなに見ないでください」

恥ずかしいのか、視線から隠すように、少しだけ身を小さくする。
その仕草が、弱々しい表情が、余計に男の心に火をつけるのを、この清純な少女は無論知らない。
だからこそ湧き上がる感情を、志貴は必死に押さえつける。

秋葉は先程から困ったように志貴を見ている。

「どうした?」

「あの、兄さんの髪を洗って差し上げたいのですが」

そういえば、そういう話だった気がする。
迂闊にも秋葉に魅せられて、頭が火照ってそれどころではなかったけれど。

「どうしたらいいか、わからないんです」

髪を洗うといったきり、何をするでもなく、落ち着き鳴くソワソワとする秋葉は、なんだか心細さに震えるウサギのように見えた。
そんな秋葉が可愛くて思わず頭を撫でる。

「きゃ!?」

ビックリしたのか、秋葉が飛びのく。

「え!!?」

思わず眼が点になる。

ただ、飛びのくだけなら良かった。
だが、今の秋葉の格好は飛びのくには適していない。
着地の際勢い余って転倒する。
そして、ハラリとバスタオルが落ちてしまったのだ。

白い肌が眼に飛び込んでくる。
訳ではなく、正確には秋葉はバスタオルの下に白い水着を着用していた。

が、それはそれで扇情的で、水着で恥ずかしそうにする我が妹は、妹である事を忘れてしまうほど可愛い。
もう、なんかいろいろヤバイ。

煩悩を沈め、理性をフル稼働させる。
そう、見えているからヤバイのだ。
見なければ良い。
見なければ良いのだ。
幸い、これからしてもらう事は洗髪。

そう思い秋葉の手を引き、洗い場に移る。
ちなみに、手を引かれて素直に、大人しく付いてくる秋葉に、幼少の頃を思い出してさらに自分の首を絞めることになったのは内緒だ。

「それじゃ、兄さん失礼します」

鏡の向うで秋葉が緊張した面持ちで泡を立てる。
ヤバイ、白い水着を着た秋葉が泡を立てるってシュチュエーションがヤバイ。

なら、とっとと眼を閉じれば良い。
理性が正解を告げるが、本能が眼を閉じるのを拒む。
白くしなやかな指が自分の髪に触れる。
真剣な面持ちで洗う秋葉には悪いが、その白い肢体から眼が離せない。

秋葉は、完全に俺が眼を閉じていると思っているのか、幾分リラックスした表情だ。
無意識なのか、綺麗な声で鼻歌なんかを呟いている。

手や背中に時折当たる暖かい感触。
秋葉の肌の温もりと柔らかさに血液が沸騰する。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

「に、兄さん!?」

思わず眼を見開いた自分に天罰が下ったのは必然。

「ど、どうかしましたか?私、失敗しました?」

秋葉の心底心配したような声に、必死で首を横に振る。

「シャンプーが眼に染みただけだ・・・から」

あっ!!

その発言に、真っ赤になるマイシスター。
それは比喩じゃなく、勿論顔ではなく髪の方が。

もう、なんていうか、今にも全てを奪いつくされそうな予感に、身体が慄く。

「兄さん、見ていたんですね!」

訂正、顔も髪に負けないくらい真っ赤になっていた。
シュルンと視界が赤い何かに覆われる。

「しばらくこうしていてください」

それは秋葉の赤い髪。
なんて優しい檻髪だろう。
思わず笑いがこみ上げる。

「・・・なんです」

「いや、全てを奪いつくされたかな、って」


鼻腔を擽る華のような淡い香りは、秋葉の髪から。
時折触れる温もりと感触は、秋葉の肌から。
耳を擽る優しい楽の音は、秋葉の歌から。
味覚を刺激するような甘ったるい空気は、秋葉の存在から。
そして、俺の視界(せかい)の全ては秋葉の赤色。

今この瞬間、五感(遠野志貴)の全ては、秋葉によってもたらされている。


いや、それをいうのなら――――


「今更、だな」

「どうしたんです、兄さん?」

丁度耳の横を洗っていたからか、耳に囁かれる秋葉の言葉は、まるで閨で紡がれる睦言のよう。

「いや、そもそも遠野志貴の全ては、初めからお前の物だったんだよな」

「変な兄さん、でも」

この優しい拘束に、心まで絡め取られた。
それも当然だろう。
遠野志貴と言う存在そのものが

「私は兄さんが傍に居てくれれば、それで良いんです」

良く考えてみれば、幼い『あの日』に秋葉が分け与えてくれた命

「他には何も望みません。
だから、貴方の横に誰かが並ぶその日までで良いんです」

なのに、どうしてコイツはこんなにも――――

「奪いつくされたよ」

目隠しされたままで、強引に抱き締める。
ほとんど裸の秋葉の身体を、壊れるくらい力いっぱい抱き締める。

「兄さん?」

「俺の過去も、未来も、五感も、魂さえも奪いつくされた」

肉体に刻まれた疵が燃えるように熱い。
胸の奥で心臓が歓喜の歌を謳う。
失った半分を近くに感じる。
ドクンドクンと鼓動が一つに重なっていく。

それは、当然。

元は一つだった物が、二つに分けられた。

二つに分けられた物が一つに還りたがってる。

だから強く強く抱き締める。
くっ付いて、融けて、混ざり合う程に強く。

おずおずと背中に秋葉の腕が回される。
初めは遠慮がちだったその腕が、少しだけ強くなる。

「良いんですか、私達兄弟なんですよ」

「馬鹿、兄弟よりもさらに近い」

その言葉が最後の一押しだったのか、秋葉はあの細い腕の何処にそれだけの力があったのか、自分以上の強さで抱き締めてくる。

目の前には、魔と混ざり合った混血の証である赤い髪が揺れる。
七夜の血が騒ぐ。

殺せ、滅ぼせ、と脳髄を駆け巡る。
全てを殺す蒼い瞳は、少女の命の綻びを映す。

けれど、それは出来ない。

この少女を愛してしまったから。

殺せというのなら、この身体に流れる七夜の記憶こそを殺そう。



一瞬、哀しそうな誰かの瞳が脳髄を焼いた。
それは、脳ではなく肉体に宿った記憶、七夜の父の記憶だったのかもしれない。



後悔は無い。
自分の為に命の半分を失った彼女に較べたら、そんな犠牲は天秤にもかからない。



「兄さん?」

夢見るような声で謳う秋葉の髪を撫でる。
それは、ルビーのように赤い髪ではなく、烏羽色の髪だった。

「離れがたいな」

「ふふ、そうですね」

二つに分かれた命が一つになったような心地よさからか、秋葉と二人いつまでも抱き合っていた。






ックシュン!!

盛大にくしゃみをし、翌日から暫く風邪を引いた兄弟の話は、また別の話。


魔術師の後書き


ひさしぶりの月姫SSです。
風邪ひき秋葉ちゃんにしろ、可愛い鬼は〜にしろ、私の書く秋葉SSは何故全部こんな感じ?
はじめは、軽く髪を洗いあうSSを書いてたはずなのになぁ。

でも、この髪を洗うってシュチュエーションはいいですね。
タイトルが示すとおり、気が向いたら秋葉の髪をあらう志貴とか、弓剣とか、耕介薫とか、
いろいろ書けそうですね。
せて、年内にあと何回更新できるかわかりませんが、月姫リメイクも決まりましたし、
それまでには紅の姫君も終わらせたいなぁ。
あれ、歌月が出る前から書いてるんだよな(苦笑