恭也 祓う3
恭也鹿児島に行く
神咲家
俺は今鹿児島にある神咲家の門の前に立っている。
それは、なぜかって、まー薫さんに出稽古に誘わ
れたからである。
〜回想〜
ぷるる・ぷるる・がちゃ・・・
「はい、高町家です。」
「もしもし、神咲薫ですが、恭也君かい」
「おはようございます、薫さん」
「ああ、おはよう」
「恭也君、昨日は遅くまで引き止めて悪かったね。」
「いえ気にしないでください、自分も昨日は薫さん
と話せて楽しかったです。」
「それでなんでけど、恭也君一度鹿児島に出稽古に
来る気は無いかい。」
「鹿児島にですか?」
「ああそうじゃ、昨日のことを、祖母に話したら一度
話をしたいから出稽古を兼ねて鹿児島にって・・・」
薫さんの話しを聞いて数秒考え
「分かりましたでわ、近々うかがわさせていただきます。」
「そうか、大体何時頃来れそう?」
「そうですね、後一週間もすれば高校も夏休みですので、
休みに入ってすぐ行かせてもらいます。」
「分かった、その事を祖母に伝えておくよ。私も恭也君
と稽古出来るのを楽しみにしてるから。」
「はい、自分も楽しみです。」
「では夏休みに・・・」
「はい失礼します。」
ツーツー・・・ガチャ
〜回想終了〜
で、現在に至る訳である。
門の横にある呼び鈴を押すと
「はーいどちらさまですか〜」
「すいません、高町恭也ですが」
名前を告げると門が開いて一人の男の子が出てきて、
「高町恭也さんですね、薫姉から聞いてます。あっと自己紹介が
まだですね、自分は神咲北斗ですよろしくお願いします。那美
がいつもお世話になってます。」
「こちらこそよろしくお願いします。那美さんや薫さんにはいつも
お世話になってます。」
北斗君と話しながら屋敷の廊下を歩いていると、北斗君が立ち止まり
襖を開け客間に通される。
「少しの間待ってて下さい、祖母と薫姉を呼んできますから」
「ええ分かりました。」
客間に通されて数分すると襖が開き薫さんと和音さんが部屋に
入ってきた。
「恭也君いらっしゃい。」
「久しぶりじゃの恭也君」
「お久しぶりです、薫さん・和音さん」
その時自分と和音さんの会話を聞いて薫さんは・・・
「ちょっちょっと待って」
「恭也君と祖母ちゃんは会ったことあるの?」
そう言って驚きながら聞いてくる。
「ええまだ御神の家があった時ですからそうですね、十年以上前になりますね。」
「もうそんなに経つんじゃのう、それにしても大きくなったな恭也君、まあこの
話はこの位にして本題にはいろうかの・・・・」
「ああそうじゃね、恭也君この前は本当迷惑かけたね、本来なら自分が祓うはずの
悪霊を退治してもらってありがとう。」
「わしからもその事に関しては礼を言わしてもらおう、ありがとう」
「礼を言われるような事じゃないですよ、たまたま近くにいたから祓っただけですから。」
「それはそうと恭也君、君が使う流派は確か・・・」
「永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術です。」
「そうそれ確かこの前祖母ちゃんなら知ってるかもって言ってたよね。」
「祖母ちゃんは知ってるの恭也君が使う流派を?」
そう薫さんが、和音さんに尋ねると和音さんは・・・・
「まあそりゃの恭也君の祖母で永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術の
前当代不破美影とは茶飲み友達じゃからの名前くらいは知っておる。」
「ただし、名前だけじゃ他は一切何も知らん」
「さてこの話はこれまでじゃ薫、恭也君を部屋に連れて行ってあげな」
「はい、じゃあ恭也君部屋に案内するから付いて来て」
そう言われ薫さんの後に付いて客間から廊下に出て、少しすると薫さんが
「ここが、恭也君が出稽古の間滞在する部屋になるから」
「ありがとうございます、こんな立派な部屋を使わせていただきまして・・・」
「そんなに遠慮しなくていい、それと恭也君今日はどうするこれから裏の稽古が始まるん
だけど・・・」
「そうですね、宜しければ今日からでも参加さしていただきます。」
「じゃあうちも胴着に着替えてから来るからそれまでに恭也君も準備しておいて。」
そう言って薫さんが部屋から出て行くと自分も鍛錬にいつも使っているジャージ
に着替え愛刀の小太刀八景を持ってきたバックから取り出し準備を終えると
タイミングを見計らったように薫さんが戻ってきて・・・・・
「恭也君準備できたかい?」
「はい」
「じゃあ皆待ってるから道場に行こうか?」
「ええ、行きましょうか。」
そして薫さんに道場に案内されて扉を開けると裏の門下生十数人が正座で薫さん
が来るのを待っていたようで薫さんが上座に座ると、一番前に居た弟子が薫さん
に対して
「師範お願いします」
挨拶が終ると薫さんが自分のことを門下生に説明を始めた・・・
「今回、他流の方が出稽古に来ています、かなり腕の立つ方なので興味がある子は
胸を借りるとええ」
「高町恭也です、よろしくお願いします。」
「流派は、永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術を使います。」
「薫さん一戦やりませんか?」
「戦ろうか」
そして二人同時に刀を抜き構えるそして
薫が唐竹割りを放つ!
恭也は右に身を翻しつつ右の一刀を抜き、薫の胴に横薙ぎの一撃を放つ!
薫は避けられたと見るやすぐさま十六夜を引き戻し、恭也の一撃を防ぐ。
恭也の一撃を受け止めた事により、動きの止まった薫に、左の一刀を抜い
た恭也が斬りかかる!!
薫は下がりつつ牽制の為に袈裟懸けの一撃を放つ。
恭也は薫の袈裟懸けを最小限の動きで回避し、薫の左側に回り込む……が、
薫の十六夜が翻り恭也を襲う!!
「追の太刀!!」
「なに!? くっ!!」
恭也はとっさに右の一刀を防御の為にかざしつつ、後方に跳んだ!
後方に跳び、薫の追の太刀から逃れた恭也に対し、薫がそのまま流れるように刺突を放つ!
「閃の太刀!!!」
恭也は着地すると同時に更に右方向に跳ぶ!!
右方向に大きく跳び、薫の刺突を回避する。
恭也は危なげなく着地すると、そのまま下がり間合いを開ける……薫もまた追わずに恭也の
様子を見ている。
恭也は左の一刀を腰に戻し、薫に向って走る!
「速い!? だが!!」
恭也に向けて、薫が袈裟懸けの一撃を放つ!
恭也はその一撃を左の一刀を抜き放ち払う……薫は脅威的な速さで、すぐさま十六夜を翻して
追の太刀を放つが、恭也の方が速い!!
恭也は追の太刀を身体を反転させつつ放った右の一刀で払う!
薫は追の太刀に続く閃の太刀を放とうとするが、恭也はそれよりも速く、すぐさま右の一刀で刺突
、薫の刀を払った左の一刀を反転させつつ祝詞を唱え一撃を放つ!
「はああぁぁっ!!」
「神威顕現」
「永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術」
「朧・・・・」
恭也が薫の胴に一撃を放ち、薫はそれを腰に差している鉄ごしらえの鞘を抜き防御にでたが、
恭也の刀はそれをすり抜け薫の胴に迫る・・・・・
「なに!? くっ!!」
薫は祝詞を唱え
「神気発勝」
「神咲一灯流 真威楓陣刃!!!」
薫は床に向かって最小限の威力で真威楓陣刃を放ち爆風を起こし、後方に大きく跳びつつ
再度、祝詞を唱え
「神気発勝」
「神咲一灯流 真威楓陣刃!!!」
恭也はそれに対し祝詞を唱え八景に黒い焔を灯し・・・・・
「神威顕現」
「永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術」
「奥義 龍虎咆哮突(りゅうこほうこうとつ)」
奥義を繰り出して、真威楓陣刃に突っ込み相殺して爆風と煙幕を作り出し
御神真刀流 小太刀二刀退魔術 奥義の歩法 瞬雷を使い薫の背後に回り
こみ首筋に刀を突き付け
「薫さんこの勝負自分の勝ちですね。」
そう言いながら八景を首筋から離す。
それを見ていた弟子達は薫がまさか負けるとは思ってなかったのか道場内が
一瞬静寂に包まれた。それに気付いた薫は手を叩き鍛錬に戻るように促し、
薫は恭也にタオルを渡しつつ話しかける。
「恭也君、本当に君は強いな将来が楽しみじゃ。」
「いえ自分はまだまだです、自分より強い人は幾らでもいますから。」
「そう謙遜せんでもよか、褒め言葉は素直に受けるもんじゃ」
「はい分かりました」
薫さんと戦った後弟子達に仕合を挑まれその相手をしていると終了時間が来て
練習が終わり弟子達全員が帰った後、薫さんと自分2人になると・・・・薫が恭也に話しかける。
「恭也君お疲れ様」
「薫さんお疲れ様です。」
そう言いながら恭也に
「まさか、あんな形で真威楓陣刃を返されるとはね・・・・」
「夢にも思わなかったよ。」
「それにしても、朧にしろ龍虎咆哮突しろ御神流の退魔術は恐ろしいものがあるよ。」
「そうですね、もともと御神流の退魔術は鬼や妖魔との戦闘を前提にしたものですから。」
「そうか、神咲一灯流はどちらかと言うと除霊が専門だから、どうしても決め技が中距離戦闘向き
になってしまうからその隙をつかれてしまった訳だ。」
「そうですね、御神流は近接戦闘と中距離戦闘向きがメインですから真威楓陣刃などの中距離戦闘向
きの技は決め手になりえないですね。」
「そうじゃね、今日は本当にありがとう有意義な一日だったよ。」
「さてこれ以上話していると体が冷えて風邪をひくといけないな、上がろうか?」
「そうですね。」
「じゃあうちは道場にあるシャワーを使うので、恭也君は母屋にあるお風呂を
使うといい、場所は道場に来るとき教えたから分かるじゃろ。」
「それではお言葉に甘えまして。」
そう言って薫と道場で別れ自分は母屋にあるお風呂に向かうことにした。
おわり
あとがきみたいなもの
今回恭也が繰り出した奥義 龍虎咆哮突(りゅうこほうこうとつ)は射抜きに霊力を
付与した技です。これにも射抜きと同じでいろいろ派生技があります。なんせ表現力
が乏しいのでうまい事書けてないですが暖かい目で見てください。薫の喋り方が変で
すが気にしないでください。ではこれにて失礼します。
永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術 設定
通常技
斬焔・・・・・斬
瞬焔・・・・・徹
朧 ・・・・・貫
奥義
明王斬焔・・・・斬焔の奥義・・・薙旋
神火滅殺・・・・瞬焔の奥義・・・虎乱×雷徹
龍虎咆哮突・・・朧の奥義・・・・射抜き
虎王牙(こおうが)・・・・・・・虎切
神威(かむい)・・・正統奥義 鳴神
奥義の極 滅
奥義の歩法 瞬雷
一応こんな感じです。
魔術師のお礼状
恭也と和音さんが知り合いだったり、恭也の祖母が茶飲み友達だったりとほのぼのしてますね。
恭也の祖母って設定に軽い驚きを感じました。
何でかというと御神の剣士って何だか男性的なイメージなんです。
美由希も美沙斗さんもいるのに、御神の剣士は男ってイメージが私の頭の中にはあるみたいです。
何ででしょうね?
あと、「裏」の稽古ってのも、斬新でした。
裏だって継承者や退魔師がいるんだから稽古があって当然ですよね、実際耕介はやってるはずなんだし。
前から疑問に思ってたんですが、一刀流と一灯流の違いはどこにあるんですかね?
霊力がある人間が振るうのが一灯流になるんでしょうか?
つまり、剣技としてはあくまで一刀流で、その延長線上に一灯流があるか?ってことなんですが。
それとも根本から違うのか?
例えば耕介は、薫ルートでは一灯流っぽいです。
これは、『薫』の力になりたいから一灯流を習得したのか、ということです。
そうだとすると、知佳ルートで修練するのは恐らく一刀流のはずなので、どこまで行っても一灯流を習得できないのか>という話なんですけど。