恭也祓う 2
遭遇
八束神社 境内 深夜
「薫、奥から誰か来ます」
十六夜の声につられて振り向くとそこには
見覚えのある顔がそこに在った。
「恭也君じゃなかね」
「お久しぶりです薫さん」
「恭也様お久しぶりです」
「お久しぶりです十六夜さん」
恭也は挨拶しながら薫が式服を着ているのを見て
「薫さん今から仕事ですか?」
「うんそうじゃよ、恭也君は鍛錬してたのかい」
「ええ美由希の鍛錬が終ったので自分用のメニューを少し」
そう薫と恭也が話してると森の奥から風が吹いてきて
恭也が先ほど祓った髑髏の瘴気と一緒に恭也の霊気が流れてきた。
それに気付いた薫は先程までの穏やかな雰囲気とうってかわって
厳しい顔つきになり、十六夜を抜きつつ
「十六夜、今のは」
薫に聞かれ十六夜が気を張り巡らし答えを探り薫に答える。
「先程の瘴気は依頼があったところに近いです」
「後、先程の瘴気に混じって流れてきた霊気は、恭也様のものです」
十六夜の言葉を聞いて薫は驚いた顔をして恭也の方に振り返る。
それを見た恭也は少し気まずそうに、薫と十六夜を見る。
「もしかして、恭也君」
「君は退魔士なのかい」
薫に聞かれて恭也は少しためらった後、まあ薫なら大丈夫かと
思い正直に答える。
「ええそうです、そして自分の流派は」
「永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術と言います」
「永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀退魔術?」
それを聞いて十六夜に聞くために薫は十六夜が居る方に振り返る。
それに気付いたのか十六夜は
「いえ聞いたことないです」
その言葉を聞き薫はもう一度恭也のほうに振り返る。そして恭也は
その反応を見ながら
「聞いたことがなくて当たり前だと思います」
「自分の流派は御神・不破両家の中でも、最も霊力が高い子供一人に
伝えられるんです」
「だから十六夜さんが知らなくても無理はないんです」
「ただもしかしたら、神咲一灯流前当代 神咲和音さんなら知ってい
るかもしれないですね」
それを聞き十六夜も恭也の言葉に納得するしかなかった。
「じゃあ恭也君は霊力が高かったから退魔士になったのかい」
その薫の言葉を聞き首を振る恭也それをみた薫は
「じゃあなぜ君は退魔士になったんじゃ」
「強制ですね。なんせ自分が生まれるまでの五十年余り退魔術を
習得できる程霊力の高い子供が産まれなかったので、衰退させる
わけには行かないと思った祖母が自分を御神真刀流 小太刀二刀
退魔術の当代にしたんです」
「そう言う理由があったんじゃね」
「ええだから祓う所を美由希に見せるわけにいかないので一人で鍛錬する
と言って先に帰らせたんです」
「じゃあ恭也君自分に技を一つ見せてくれないか」
その言葉を聞いた恭也はまあここに居るのは薫さんと十六夜さん二人
しかいないことを確認し
「良いですよ」
と承諾した。
「じゃあいきますよ、見逃さないでくださいねこれ一回だけですから」
そう言うと恭也は八景を抜き構え
「神威顕現」
と祝詞を省略した言葉を唱えると八景に黒い焔が灯る。
御神真刀流 小太刀二刀退魔術
奥義 神火滅殺
髑髏を倒した技とはまた別の技を恭也は薫に見せた。それを見た薫は
ただ呆然とするしかなかった。
「どうでした薫さん」
恭也はそう尋ねると、薫は
「ありがとう今日は良いものを見せてもらったよ」
「じゃあ今日はもう遅いし今日は帰ろうか十六夜」
「そうですねもう遅いし帰りましょうか薫」
「「おやすみ恭也君(様)」」
「おやすみなさい二人とも」
おわり
あとがきみたいなもの
今回の話は恭也祓うで触れなかった恭也が何故退魔士になるまでの
経緯を書いてみました。
魔術師のお礼状
ということで、私の推理は当たっていました。
私の前回の推理、2と3の折衷案のような感じですね。
一子相伝ですらないとなると、よく今まで伝えられたなぁとちょっぴり感心(笑)
さてさて、前回からの続き物ということで、恭也×薫SSだったのですよ。
ということで、前回の票とあわせて恭也×薫に十票。
美由希派の人、魔術師の早とちりでぬか喜びさせてごめんなさい。
そして、薫派の人は振って湧いた5票に喜んでください。」
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その際、「hakuoroさん」と明記してくれないとわからなくなっちゃうんでよろしく。