何処までも広がる青い空
沸き立つような真っ白い入道雲



空と雲の間を気持ちよさそうにカモメまでもが羽ばたいている

ここまで描写すればわかってもらえるだろう!


眼前に広がるは青い碧い海


そう、衛宮士郎は今、夏真っ盛りの海に来ていたのだ


しかも、セイバー、遠坂、桜、イリヤ、藤ねえ、ライダーと、清純から妖艶、お姉さまからロリっ子、巨乳から貧乳まで、およそ人類が考えられる範囲、全ての美女っ娘軍団とだ。


「嗚呼!!俺って幸せすぎるぜ!」




ただ・・・・・・


「ああ、衛宮士郎よ」


納得いかないのは・・・・・・


「盛り上がってるところ悪いのだが」


なんだって・・・・・・


「お前は間違っている」


こいつらまで・・・・・・


「お前はあれをカモメといったがな」


一緒なんだよ!!?


「あれはウミネコだぞ、戯け」



くそー、ニヤニヤ人の間違い指摘しやがって。アーチャーのやつ。
しかも、こいつだけじゃなくて


「聞いてみろよ、ニャーニャーないてるだろ?ニャーニャー鳴くのはウミネコだ」

「まったく、雑種は無知で困る」


なんで、ランサーやギルガメッシュまでいるんだよ?


Fate in the sea

その1〜彼女が水着に着替えたら〜


言いたいことはあったが、とりあえずとっととビニールシートをひき、ビーチパラソルを立てる。
すっかりパシリ根性が染み付いている我が身が少し哀しいが、それもこれから見られる皆の水着姿を思えば気にもならない。


ワクワクしながらビーチパラソルの下、野郎四人が体育座りで待つ姿はなんともシュールだ。



「お待たせー」


その声に視線を向けると、そこにはパラダイスが広がっていた。いや、マジで。



「どうですか?シロウ」


少し恥ずかしそうに俯くセイバー、

思わず言葉につまる

透きとおるような白い肌に、陽光を受けて輝く金糸のような髪。
真っ白いワンピースタイプの水着から、スラリと伸びた白い手足が眩しい。
完全に露出した首筋から鎖骨にかけてのほっそりとしたラインが、彼女が華奢な少女である事を主張していた。


「似合いませんか?シロウ」


あまりの可憐さに言葉も出ない俺の反応をどう勘違いしたのか、頬を真っ赤に染めて、不安そうな表情を覗かせる。
そこに、戦闘時の凛とした、侵し難い気高さはなく、歳相応に恥らう少女の姿が、もう犯罪的に可愛らしい。


「いや、すごく良く似合ってるよ、セイバー」


「本当ですか、嬉しいです」


嬉しそうに微笑んだ彼女にもう釘付け、メロメロドキューンと、全精神力をかけて、わざわざ両目を強化してまで、毛穴の奥の置くまで舐めるように全身を見たいという健全な男子としては当然の欲求を抑える。


「セイバー、くるっと回転して見せてあげて」


「こうですか、凛?」



ブバッ!!


とうとう抑えきれずに鼻血が滝のように流れ落ちる。

なんと、セイバーの水着は、背中が大きく露出していたのだ。

白いうなじ、輝く背中、そして水着ごしの形のよいヒップ

嗚呼、神様!!そして切継!!!
僕を彼女のマスターにしてくれてありがとう!



セイバー、何てセクシーな水着を・・・。



隣のギルガメッシュなんて、もう涙と涎と鼻血で体中の水分が抜け切って、ミイラみたいにカサカサになってやがる。


「・・・・・・シロウ、なんで拝んでるんです?」

「エ!?」

しまった、思わず感謝しすぎて本当に拝んでしまったらしい。

「戯け」

五月蝿い、アーチャー。
お前こそ、口元の嫌らしい笑みをヤメロ!
マジで、エロ親父みたいな顔しやがって。


・・・・・・・・・って、あれ、未来の自分じゃん。
なんか、見ててへこむな。



「もう、士郎達ったら鼻の下伸ばしてさ」

士郎「達」って、僕らセットですか?遠坂さん

同じ事を思ったのか、文句を言おうと同時に立ち上がった俺とアーチャー、その目に飛び込んできたのは・・・・・・


「「おおお!!!!」」

真っ赤なビキニのブラ、そして腰から下には同じく赤いパレオが翻っていた。

遠坂凛様、なんとビキニ着用ですか?
思わずビキニのブラの胸元へと視線が行ってしまう。
こればっかりは正義の味方として仕方がないことだ、と天国の切継がすっげぇ良い笑顔で親指を立てている。
横を見ると、俺の理想を極めたはずの男も同じところを見ていた。

白い胸元とキュっと引き締まった細い腰。
遠坂凛という少女の体には、余分な物なんて一遍だって付いていないんだって納得してしまうくらい、完全に美しい造形がそこにあった。
そして、日ごろは決して見ることが出来ない、ニーソックスの内側に隠された遠坂凛の生足。
すらりと伸びた美しい脚線は、足フェチである俺の目から見ても思わず頬擦りしたくなるほどに美しい。

この宝具、『凛様の御足』、心に刻み付ける。


「もう、二人とも何か言いなさいよ!」


ガァー!っと、吼える遠坂だが、評価が気になるのか、その顔は真っ赤だ。


「は、素直じゃないな、お嬢ちゃん」


「何よランサー」


「良く似合ってるぜ、凛」


飄々と、ランサーらしいワイルドな微笑で遠坂に不意打ちを食らわせる。
さすがッス!兄貴!!
アイルランドの英雄の名は伊達じゃないッス!!


「あ、ありがと、ランサー」


案の定、不意打ちに弱い遠坂は真っ赤な顔でしどろもどろになっている。
く〜〜〜〜、さすが学園のアイドル。
その姿はまさにかわいい!の一言に尽きる。


「それとな、訂正させてもらうわ」


ランサーは遠坂の手を自然に取った。


「凛、あんたは小娘なんかじゃなかったな、見る目がないのは俺のほうだぜ、すまないな」


そして、跪き遠坂の手の甲に接吻をした。



「な、な、あんたなにすんのよ〜!!」


「はは、照れんなよ」


恥ずかしさで爆発した遠坂がランサーを追い掛け回している。
浜辺でいちゃつくバカップルそのものだ。



でもな、遠坂。
ガントの乱れ撃ちは止めておけ、浜辺が病人で溢れてるぞ。




「先輩・・・・・・」


桜が恥ずかしそうに声をかけてきた。


「おおお!!」


グレイトです、あんたマジでゴットです!!
ピンクのビキニに遠坂とおそろいなのか、真っ赤なパレオ。
今の桜はヒラヒラとして、熱帯魚みたいに綺麗だ。
・・・・・・特に胸がな


「似合いますか、先輩。ちょっと恥ずかしいんですが」


「うん桜、良く似合ってるぞ」


「良かった、先輩にそう言ってもらえると恥ずかしいのを我慢した甲斐があります」


桜が嬉しそうに微笑む。
良かった、いつも儚げな桜が幸せそうに微笑んでいる。
・・・・・・・・・だというのに、どうしても視線は下に行かざるを得ない。


いつの間にそんなに成長したんだ・・・


「うんうん、立派になったな桜、お父さんは嬉しいぞ」


「って、誰がお父さんだ!」


「何を言っている衛宮士郎、私にとって桜は妹でもあり娘みたいなものだ」


・・・・・・・・・そんな、血走った目で娘の胸を凝視する父親はすごく危険だぞ、アーチャー。


「あの・・・アーチャーさん?鼻血が出てるんですが、大丈夫ですか?」


「大丈夫だよ桜、答えは出た」


ああ!あのエンディングの感動が台無しだ。
俺は思わず涙が止まらないくらい嫌な気分になった。



「突撃〜!!」


「ブベラッ!!」


良い笑顔で桜に微笑んでいるアーチャーにイリヤが突貫をかます。


「まったく二人とも、ちゃんと私も褒めなさい!」


「イリヤスフィール、痛いん・・・だ・・・・」


文句を言おうとしたアーチャーがそこで止まった。
心なしかプルプル震えている気がする。


「先輩、この人なんか変な病気でも持ってるんですか?」


全く同感だ桜、しかし、未来の自分のことだと思うと結構ショックだ。


「イリヤスフィール、君はさすがだ。此度の戦争において、最も優れたマスターであっただけはある」

「でしょう♪似合うかな?」

「ああ!その上目遣いで私を見ないでくれ、いや、もっと見てくれ。
たまらないぞ!流石だ、この無邪気な子悪魔め!!」


「アーチャー、お前巨乳好きのロリッ娘マニアか?
節操無いにも程があるぞ」

「馬鹿者!」

「シロウ、貴方はわかっていないわね」


二人に一発ずつ頬を張られた。


「貴様の未熟な愚考、切継が天国で嘆いているぞ」

「そうよ、これは切継が私に用意してくれた衣装なんだから」


・・・・・・・・・むしろ天国の切継に対して、俺が嘆きたいぞ。


イリヤの格好、それは完璧にロリっ娘好きを一撃で戦闘不能にする物だった。
濃紺の、色気もそっけもないデザイン。
そう、何の変哲もない水着だ、いわゆる宝具『すくうるみずぎ』だ。
しかもご丁寧にも、胸の辺りに白い布地で名前が刺繍されている。
平仮名で『2-C いりや』と・・・。
アインツベルンの城で日本語が書けそうなのは切継しか居ない。

あの家事が何も出来なかった切継が、年中雪に閉ざされた白銀の古城で、何度も自分の指に針を刺しながらスクール水着に刺繍していたと思うと思わず涙を誘う。




無論、あまりの情けなさにだ・・・・・・。


未来の俺は兎も角、今の俺はロリの趣味は全くない。
故にイリヤの相手は涙と鼻水を垂れ流してイリヤを崇めている紅い騎士に託そう。

しかし、遠坂の言うとおり絶対に絶対に、未来を変えてやると強い決意で神に誓ったのは内緒だ。



奴にならないための第一歩、まずは横に居る桜の巨乳を愛でることだ。
・・・・・・・・・・・・・って、オトーサン、もっともっとすごいものが!!


桜と談笑するライダーさん。
すっごい、まじですっごい。


黒の水着にその身を包み込んだライダー。
そのデザインは競泳用の水着に近い。
体のラインがはっきり出る上に、水の抵抗を減らすために相当大胆にカットが成されている。

モデル顔負けのスタイルのライダーが着るとすっごく綺麗だ。
いや、露出自体は日ごろの服と大差が無いのは重々承知している。

しかし、君も男ならわかるだろう!?
水着が男心に如何に火を付けるかという事を!!


85の桜と88のライダーが並んでいるこの景色。
まさにでっけいかな、でっけいかな。いや、違った絶景だ。

え?なんで、正確なサイズまで知ってるかって?

ふふ、半端な魔術使いであるこの俺、衛宮士郎の能力を忘れたのかい?

物や人の構造を解析させたらまさに天下一品さ!
人間バストスカウターと呼んでくれ!




「フンくだらん!巨乳など所詮贅肉に過ぎん」

「何だと、アーチャー!!!!?」

「何度でも言ってやる、衛宮士郎。
貴様の理想は歪んでいるとな!」

「バカな!巨乳の何処が貧乳に劣っているというんだ。
大は小を兼ねる!巨乳でなければ出来ないプレイは山ほどある」

「戯け!!だから貴様は未熟だというんだ。
いいか・・・。巨乳はな、常に重力に魂を惹かれている存在だ」

「何が言いたい」

「ココまで言ってもまだわからないのか?巨乳は歳を取ると垂れる、そのことが何故判らん!!?」

「バカな、若いうちから腹筋や背筋、何よりも胸筋を鍛えていれば問題ないはずだ」

「・・・・・・・・・その歪んだ理想を追い求め、信じるたびに裏切られる、その結果が私だ。
衛宮士郎、やはり貴様は理想を抱いて溺死しろ」

「譲れない乳がある、信じた乳がある。
それが間違ってても良い、俺は俺の信じる乳を愛でる!!」

「確信したよ衛宮士郎、貴様は俺と同じ道を歩む。
そして絶望するのだ、巨乳に。貴様には・・・やはり、ここで死んでもらう」

瞬時に投影した干将莫耶を振り上げるアーチャー、いや、英霊エミヤ。

やつが何を見てきたかなんて知らない。
俺にだって譲れない乳がある!!

奴に対抗するように俺も干将莫耶の双剣を持ち不退転の覚悟を決める。



「・・・・・・へぇ〜、衛宮君。面白そうな話してるじゃない」
「・・・・・・・・・シロウ、ちょっと話があります」

振り向くとそこには、見たこともないほどの満面の笑みをその顔に浮かべ、凶々しいまでの魔力を込めた指先を俺に向ける「あかいあくま」と、今にも泣き出しそうな蒼白な顔をしながらも、「約束された勝利への剣」を最高出力で向けている騎士王の姿があった。




ちなみに死を覚悟した俺が最後に見た者、それは・・・・・・・




「ちょっと〜!私全然水着描写すらされていないよ〜!!」

「仕方ないよ、タイガ。今時大正時代じゃないんだから、そんな古式ゆかしい水着着てくるから悪いんだよ」

「うわ〜〜〜ん!!差別反対!!」





出張版、タイガー道場をする藤ねえの虎柄の水着だった。



・・・・・・・・・これってデッドエンド?


後書き

すいません、何だかわけがわからない物を書いて。
ええ、本当はこんなことしている場合ではないのです。

ちなみに、本当は野郎の水着描写もする予定だったのに思った以上に無駄が多くて出来ませんでした。


多分続きを書く気なんでそっちではきちんと男の描写も・・・・え?いらない?

補足&追加

すいません、途中ライダーとランサーの名前が間違ってます
バスト88のランサー・・・・・・・・怖すぎる・・・