さて、今居間は忌々しいことになっている。
セイバー(仮)召還の理由があまりにもショックだったのか、今にも死にそうになっているアーチャー
まあ、仕方あるまい、金髪碧眼の美少女がバーサーカー以上の化け物に変わったのだ。
しかも理由がダジャレで!!
俺だって、今すぐ令呪を破棄したいわ!!
そして、アーチャーが消えないように、必死で活を入れている遠坂
「眠ったら死ぬぞ!」と、言いながら顔を叩いている辺り、完全に錯乱していると見て間違いないだろう。
雪山じゃねーッつーの。
んで、そんな二人を尻目に黙々と腹筋しているセイバー(仮)こと、ケンシロウ。
何て言うかその・・・・・・
もう、聖杯なんて心底どうでもいい気がしてきたんだけど・・・
いや、元々聖杯には興味なかったけどさ
っていうか、ここまで狂ってると俺もはっちゃけた方が楽な気がしてきたし・・・
阿鼻叫喚の地獄絵図と化した居間を前に、茫然自失の士郎を覚醒させるように、電話の音が響き渡る。
この直視に耐えない現実から逃避するために、外部とのつながりを求めて、祈るような気持ちで出たこの電話
衛宮士郎は後々悟ることになる
―――――此度の聖杯戦争には、救いなどないということに
「もしもし?」
「やあ、衛宮、お前何勝手に学校サボってるのさ、この僕が話があるって言うのに」
「なんだ、悪戯電話か」
有無を言わさず、切ろうとする
「待て!待てってば!!僕だよ、慎二だよ、何勝手に切ろうとしてるんだよ」
「いや、うちはラーメン屋じゃないですから」
「いや、言ってないだろ!?そんな事!」
「お客様は着信拒否に設定されております」
「家電にそんな設定はないだろ!!」
「ああ、何だ慎二か、悪いな、自動応対になってたよ」
「嘘付け!!」
慎二をからかって少しストレス解消する
どうせ、セイバールートの慎二は、途中で死んじゃうし、どうでも良いや。
「んで、何かようか?」
「今、傍に遠坂はいるか?」
「居ると言ったら居るが、遠い所に逝ってしまった」
主に精神がな。
「はぁ?とにかく居ないんだな、なら丁度良い、お前今すぐ学校に来いよ、というかむしろ来てください、お願いします」
慎二の哀願口調に不思議に思いながらも、電話を切る。
取り合えず慎二の様子が気になる。
何か妙だった、いや、妙と言えばいつも妙なんだが、特に髪型。
わかめみたいだし。
あいつに合うたびに海藻サラダが食べたくなるんだよな。
取り合えず、どうせライダーが待ち構えてるだろうし、遠坂にも知らせてたこ殴りするか。
伊達に5週目じゃないからな、慎二がブラッドフォードで待ってるのなんかお見通しだぜ。
「なぁ、遠坂、慎二が・・・」
「アーチャー、あんた何勝手に消えようとしてるのよ、自分だけ逃げる気!?
消えるんならせめて、セイバー(仮)と刺し違えなさいよ」
「凛!あれを・・・あの化け物をセイバーと呼ぶな!
私のセイバーたんを汚すんじゃない!!」
「きもいわよ、あんた・・・」
「まあまあ落ち着いてください、二人とも。
一体何が原因かわかりませんが・・・」
「お前だよ!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺は、何も見なかった
そう思い、一人学校に向かう
たぶん、死にそうになるだろうな、前もそうだったし
まあ、多分なんとかなるだろ、と言うかバットエンド上等
死ねば、この嫌な現実から逃げられるんなら喜んで死のう
最後に見るのが、ライダーのナイスバディなら言うこと無いじゃないか・・・
門をくぐった瞬間息苦しくなる、さすがブラッドフォートだな
覚悟が決まったからか、足取りも軽く廊下を歩く士郎
息苦しいからハァハァ言ってるのに、足取り軽く表情は笑顔
はっきり言ってメッチャ怖い
「やあ、衛宮、気分はどうだい?」
ククク、と笑いながら声をかける慎二
「やあ、良いブラッドフォートだね。いつもと変わらないって事がこんなにすばらしいなんて・・・」
変わらない展開に、安堵の涙すら流している士郎
はっきり言って、慎二はひいている
衛宮士郎は思った
・・・慎二にはわかるまい
あのセイバー(仮)とのデートイベントや、ベッドシーンが待っている俺の恐怖など
「それより早くライダー呼んでくれない?」
「お前、何でそんなに落ち着いてるんだよ!?
もっと驚けよ、僕が結界を張らせたんだぜ」
「いや、だってお前セイバールートでも、遠坂ルートでもブラッドフォート使うだろ。
悪いけど、もう見慣れちゃったよ」
「は?セイバールート?遠坂ルート?
お前何言ってるんだよ?さっきからおかしいぞ」
「いや、何処のルートいっても不様にやられる、噛ませ犬のお前には関係ないよ」
「・・・お前、ホント何があった?凄く嫌なやつだぞ、僕みたいだ」
「お前に言われたらお終いだよ。っていうか、自覚あったんだな。
良いから、早くライダーお姉さまのナイスなバディを拝ませろって」
「あれがナイスバディね、まあそう言えなくはないけど」
「?」
ブツブツ呟く慎二の様子に首を傾げる士郎
あの、サービス溢れる格好から惜しげもなくさらされる白い肢体、胸元やスカートから覗くチラリズム。あれ以上にナイスバディはそうそう無いだろうと思うけど。
「ライダー、出て来い」
もう、この士郎に何を言っても無駄だ、慎二はそう悟ったのか、疲れ切った表情でライダーを呼び出した。
廊下の影から、闇から溶け出すように現れたライダー
その身に、闇色の衣をまといし姿が廊下に現れた
しなやかなその身体は、何処までも美しく、如何なる者もその耳目を向けないものなど居ないだろう。
細く引き締まった、その長くすらりとした手足は、造形美と機能美の完全な芸術にすら見える。
毛先は美しく、それが靡く様は涼やかで、いっそ幻想的な美しさを感じさせる。
そして、全ての者を跪かせる様なその存在感と嘶きはまさに・・・・・・
って、嘶き!!!?
「馬じゃん!!騎乗者じゃなくて馬その物じゃん!!!」
正気に戻った士郎の目の前には、真っ黒な巨馬が雄姿を誇るように嘶いてた。
「俺は馬じゃなくて騎乗者
「うぬの眼は節穴か」
・・・馬の上から声がする、低くて渋い声・・・嫌な予感がする、
というか、今時「うぬ」って一体・・・。
少し離れて、恐る恐る馬上を見る
そこには、ライダーが居た。
確かにライダーが居た。
いつもの極端に布地が少ない、黒いボディコンスーツを身につけたライダー。
極端に短いスカートから、惜しげもなく太ももが曝されている。
その太ももは俺の腰周りより太いが。
その胸元も妖しく怪しく開かれていて、と言うか、大胸筋が収まりきらず破れている。
・・・・・・ある意味、ナイスバディだ
全身には一切無駄な肉は無く、まるで圧縮されたような筋肉が、隆々とその存在を誇示していた。
俺は確信した。
・・・・・・こいつ、絶対ライダーじゃねえ!
慎二と目が合う
『お前、そっちの趣味が有ったのか』
「違う!!違うんだ!!!俺のライダー
続いたらどうしよう
魔術師の戯言
更新お待たせしました
いや、待ってる奴は居ないでしょうけど
軽く一月以上放置してましたからね
何を書こうとしてたかすっかり忘れましたよ(ヲ
前、書いたやつが後書き書いてる途中で停電して全部飛んでしまいまして、やる気なくしてたんですよね(ワガママ
まあ、それはさておき、とうとう登場したライダー
ライダーまで男に、いや漢になってしまってます。
ええ、全てのサーヴァントが女性化なら喜ぶ人も多いでしょうよ。
しかし、私は何故7人中3人しか居ない女性サーヴァントを野郎化してるんでしょうか?
一体何処の層が喜ぶんですかね?
ああ、作中の衛宮君の層か(笑)
当然、こうなれば、世の中の流れに真っ向から対抗して、私は全サーヴァント野郎化推進しますよ
さあ、残ってるのはキャスターです
キャスターの役は誰でしょう?
今までも一応理屈をつけてきました
セイバー(仮)=ケンシロウ→剣の士郎だから(詳しくは前回参章)
ライダー(仮) 正体は謎ですが、いつも馬に乗ってましたし
屁理屈って言うな!
と言うことでキャスターも一応屁理屈で理論武装してます
貴方の予想はあたるかな?
予想募集(笑)
屁理屈も付けてくれるとなお良いです
あと、今回は笑いどころをフォントとかで強調する書き方にして見ました
今までのと、今回とどっちがいいですか?
自分は、笑いどころ自分で探す派なんですけど、テキスト系サイトですとフォント上手に使っててすごいなぁと思うわけで。
こっちにも一言有ったらよろしくです