修羅の邂逅


《薫の想い〜さざなみ寮の夜〜》

 

 恭也の姿が完全に視界から消えたのを確認してから、真雪はおもむろに薫に話しかけた。

「さて…、神咲。少し話があるんだがいいか?」

「ええ、構いませんが…」

「リビングは酔っ払いが潰れてるし、私の部屋は締め切り直後だから足の踏み場もない…。

かといって外で話すと誰かに聞かれる確立があるし…、どうするかね〜」

「他の人に聞かれるのは、あまり好ましくない話しなのですか?」

「まあね…」

「わたくしも席を外しましょうか?真雪様」

「いや。十六夜さんはいていただいて構わないです…。
しかし、困ったな…こんな時間じゃ開いてる喫茶店もないな…」

薫の時計はすでにAM3時を指していた。

「それじゃあ、私の部屋に来るかい?」

突然の声の主はリスティだった。

「お前…、潰れてたんじゃないのか?」

「フフン、日頃から真雪と杯を酌み交わしてるこの僕が、あんな程度で潰れるわけないだろ。

真雪が意図的に皆を潰そうとしてたから、フリをしただけさ…」

「じゃ、全部見てたのか?」

「何の事かな?真雪が恭也に負けたシーンなんて見てないけど…」

「ぼうず!!お前な〜!!!」

「Be quiet!!みんな目を覚ましちゃうよ…」

「っち…」

「まあ、いいじゃない。要は愛と耕介に聞かれなきゃ構わないんだからさ…。
それに御神の剣についても、恭也の個人的な情報についても、僕は真雪や薫よりは詳しいしね…」

リスティの言葉を聞いて薫の顔が反応する。

「ああ、薫。恭也とは一度仕事で組んだ事があるからさ、心配しなさんな」

それに何かを抗議しようとする薫を真雪は手で制すと

「わかった、ぼうずの部屋に行くか…」

「Yes!そうこなきゃね」

 

〜リスティの部屋にて〜

「で、愛さんと耕介さんには聞かれては困る話とはなんですか?」

「たぶん、お前が想像してる話しだよ…」

「……………!!!?ウチは何も…」

慌ててごまかそうとする薫を見ながら、リスティは事も無げに言った。

「気にする事なんてないよ、薫。
あの時に寮にいたメンバーで、耕介に好意以上の感情を持っていなかったやつなんて、子供だった美緒と、あとはみなみだけだから…」

「岡本君には、あの女の子みたいな可愛い少年がいたからな…。何て言ったけ?彼は…」

「相川真一郎君ですか?」

「そうそう。そんな名前だったな」

「岡本は元気ですか?」

「ああ、今はアメリカにバスケット留学しているが、相川君と二人で幸せだそうだよ…」

「ところで真雪さん?今の話しは本当ですか?」

「ああ、知佳もゆうひも、いちゃつく耕介と愛をからかいながら、時々フッと寂しそうな顔をする事があったし…」

「私も薫と同じさ…、耕介も愛も大好きだし…心のそこから祝福していたけど時々は胸が痛んだよ。
何故か涙が出てきて…」

とリスティは照れくさそうに呟いた…。

「そうだったのですか…」

「やっぱり何年も海鳴に帰って来なかったのは、二人を見ると少し辛いからなのか?」

「はい、久遠の件がなかったらたぶん、未だに帰ってこなかったと思います」

その言葉を聞いたリスティと真雪は、そっくりの顔をしてニヤニヤしていた。

「なのに、また帰ってきた理由は…ズバリ」

「「恭也だねっ!!」」

二人は声を合わせて言った。

「えっ??いや…別にそう言う意味じゃなかですよ…。ただ、あの…その…」

「でもさ…、昔ほどには耕介と愛を見ても辛くないだろう?」

「ええ、でもそれは恭也君のお蔭とかじゃなくて…」

混乱している薫を見て十六夜は笑いながら

「でも、恭也様との約束を果たすために来たんですよね?薫?」

「薫も隅に置けないな〜、前に来た時にすでに恭也と約束を取りつけておいただなんて…」

「で、それはどんな約束なんだ?神咲?」

「手合わせ…」

「は?」「え?」

リスティも真雪も思わず間抜けな声を出してしまった。

「手合わせをする約束なんです…」

ズコッ!!!

思わずコケル真雪とリスティ。

「じゃあ、お前はわざわざそのために鹿児島から出てきたのか?」

薫はただコクンと頷く。

「だいいち恭也も恭也だ!何で、もう一度合いたい口実に、手合わせなんてほざくんだ…?」

「まさか、耕介を超える朴念仁がいるとは…」

「ところで神咲。お前は恭也が好きか?」

「ええ?ウチはウチは…恭也君を…」

「薫、こう言う時は落ち着いて考えなさい…。
薫は恭也様といて楽しかったですか?」

「ああ…」

「では、今でも愛様と耕介様を見てて胸が締め付けられるような寂しさを感じますか?」

「いや…」

「久遠の件でこの前に来た時は?」

「やっぱり胸が痛んだ…」

「今日、ゆうひ様の話を聞いて、何か感じましたか?」

「寂しさかな…」

その受け答えを聞いてリスティと真雪は呆れた声を出す。

「お前…完全に恭也に惹かれてるじゃね〜か…」

「普通、いくらなんでも気が付くと思うよ…薫」

「私が、恭也君に、惹かれている?そんなこと…」

「自分でも無意識に気が付いていたんじゃないですか?
だから恭也様の霊力を探らせたり、私を振れるかどうか試したりしたんでしょう?」

「そうだ…、霊力。霊力の無い恭也君は神咲には相応しくないんじゃ…」

「薫。好きな男性(ひと)と結ばれなさい…。
あなたは、神咲のために生きているのではありません。
あなたが幸せになれる人が恭也様なのであれば、迷う事など無いのですよ。」

「しかし…」

「それに恭也様は、私を振るうことが出来ました。
霊力はそこまでの物ではないにも関わらず…。何故だと思いますか?」

「それは、私が疑問に思っていることだ。
修行せずとも、この十六夜をあれだけ振るえるのに、何故霊力はたいしたことが無いんだ?」

「類稀なる剣才のせいです。
鍛えていた体、常人よりは遥かに勝る霊力のおかげもありますが、それ以上に彼の剣才が、僅か数回振っただけで、私の重さや長さに合った力の入れ具合を把握させたのです。
もし、どうしても神咲のためになる人を選ばなければならない、と言うのなら彼は最適ですよ」

「何故?」

「彼の使う特殊な剣術を神咲の剣に組み合わせる事で、多彩な技が使える様になるし…、彼の霊力を鍛えれば、それなりの退魔師になることも可能でしょう。
何よりもあの剣才を、神咲の血に取り入れる事が出来ます」

「なるほど…」

「それよりもなによりも、あなたの気持ちが大切なのです。
退魔師としてでもなく、神咲一灯流正当伝承者当代としてでもなく…、
一人の女性である『神咲薫』は高町恭也様をどう想っているかが大切なんです」

「ウチは…」

「待て!神咲…。結論を出す前にお前に伝えなければいけない事があるんだ…」

「恭也の…恭也の振るう剣は『御神流』…。さっきうちの流派の伝承に伝わっていると言ったな?」

「ええ…」

「実はあれは断片に過ぎない。全編はな…

 

御神の剣を振るう者

 

その者は剣士にあらず

 

御神の剣は闇の剣

 

闇より出でて

 

闇に帰す

 

御神の剣を極めし者は

 

刻を支配しものなり

 

己自身を剣鬼に堕して

 

その身に血を纏いしその姿

 

正に修羅の化身なり

 

御神の剣を振るいし者に

 

ゆめゆめ近づく事無かれ

 

だそうだ。」

「闇の剣?修羅の化身?剣士にあらず?どういうことですか、一体?」

薫は愕然として真雪に聞いた。

「あたしに聴かれても…。
ただどうやら御神の剣は、『ただ人を殺すためにはどうすればいいか…』のみを追求して作られたらしい。
それは、神咲…。昔、お前から聞いた神咲の剣の理、人を護るために振るう剣とは対極にある剣だ。
ただ人を殺すための暗殺術を磨いているのが、高町恭也と言う人間だ」

「そんな恭也君が…、美由希ちゃんも…。そんな人間には見えなかった…」

「あたしもそう思っていた。でも一抹の不安があった。
お前は嫌がるかもしれないが、あたしはお前も家族の様に思っているから…。
だから今日、恭也と闘う事で確認したかったんだ…。」

「今日の闘いで…」

「お前も見ただろう?今日の恭也の様子を…。
あれは、剣鬼にはなっていない…、あたしと自分の実力差を考えた上で、最もあたしが怪我をする確立が低い方法で勝敗を決してくれたからな…」

「しかし…、彼は修羅の道には片足を突っ込んでいると、真雪さんは言いたいんですね?」

コクリと頷きながら、真雪は薫の言葉の後を続けた。

「彼は今、己の剣を振るう意味を見つけていない…、
強い者と闘う事で答えを模索しているが…、
恐らくは闘えば闘うほどにわからなくなって、



やがて完全に修羅になる…な」

ここまで、一息で喋ると、真雪は煙草に火をつけて、一口だけ吸うとすぐに揉み消した。

『完全に…修羅になる?恭也君が…?いやだ…。
闘いにのみ心を燃やし、やがて闇に静かに消えていく…。
そんな生き様を、あの夜の、小さな手をした少年が歩むというの…』

思わず薫の瞳から涙が溢れ出す。
堰を切った様に止めど無く流れる涙を、薫は拭おうともせずに流し続けた。

『ウチは、何故泣いているのかな?
ただ、あの桜の咲き乱れる木の下で、ウチの手を強く握ったあの小さな手の少年が、大きく成長した自らの手で、絶望と言う剣を振るっていると思うと哀しくて…高町恭也と言う人物が愛しくて……。』

ここに来て、薫は己の気持ちに気が付いた。
と言うか、今まであえて背を向けていたことに、真正面から立ち向かったと言うべきか…。
一端自覚した気持ちは押さえられずに新たなる涙を誘う。
それどころか、胸の中で恭也がますます大きな値を占めていくのを薫は感じた。
『そうか…、ウチはやっぱり高町恭也と言う人物に惹かれているのか、あの桜の木の下で出会った日から…どうしようもないほどに…』

「どうしたんだ?神咲」

真雪は慌てて薫の涙を拭うと薫の頭を撫でながら聞いた。

「真雪さん…。ウチは恭也君に修羅になって欲しくないです…。
あの子の手は小さくて、でも温かかったのに…」

「『あの子』?恭也が子供のころに会ったことがあるのか?」

「ええ、一度だけですが…」

ようやく泣き止んだ薫が、少し嗚咽を洩らしながら答えた。

「まだ、ウチが風芽丘に通っていたころに、たった一度だけ…
あの桜の花が吹雪の様に舞い散る夜に、一言か二言だけ言葉を交わしたんです」

突然リスティが火がついた様に笑い始めた。

「アハハハハハハハハハハッ!!!そうか、そうだったのか。なるほどね…」

一方の薫、十六夜、真雪は突然のリスティの態度に呆然としていた。

「いや、ごめんごめん。じゃあ、こんどは私が知ってる『御神』と『高町恭也』について話そうか」

まだ他3人は怪訝そうな顔をしていたが、とりあえず話し始めたりスティに耳を傾けた。

「まずは、御神の剣について話そうかな…。
端的に言って、御神の剣士は僕達の業界じゃ有名さ。
香港特種警防隊か御神か、ってくらい有名だったよ。」

「ぼうずの業界ってことはSPとか、ボディガードとかだよな?」

真雪の言葉に頷くリスティ

「あれ、でも先ほど真雪様は、『御神の剣は殺人の剣だ』と仰っていましたが?」

十六夜の言葉に、頷きながら、薫は嬉しそうに

「御神の剣も人を護るための剣だって事か!!」

と、勢いづいた。
それに対するリスティの答えは複雑な表情であった。

「ある意味では…そう言えない事もない」

三人は、じっと次の言葉を待った。
真雪でさえ、茶化す事もせかす事も無くただ耳を澄ましていた。
リスティが薫の事をじっと見つめた。
言うべきか言わざるべきか悩んでいる。
そんな表情だった。

しかし、やがて意を決したのか深呼吸をして続きを話し始めた。

「確かに御神の剣士は、雇い主の身を護る事に懸けては、超一級さ。」

リスティは雇い主の部分を特別強調した。

「でもね…、僕達と彼らの違いはさ…。
御神は相手を殺すんだ。
僕達も仕事柄、相手を死に至らしめる事が無いとは言わない。
でも御神の剣士は…必ず殺すんだ。犯人を…。
僕達は例え犯人でも、殺さない様に最大限に注意をする。
しかし彼らは反対さ。確実にできるだけ一撃で、相手を殺していく。」

シーン…。

部屋の時間が止まったように静かになった。

「で…、でも確実に依頼主の身を護るためにすることだから…」

乾いた声で慌ててフォローを入れる真雪を、リスティは気の毒に思った。
何故なら話の続きは、苦肉のフォローさえも台無しにする事を知っていたから。
しかしリスティは続きを語り始めた。

「そう、表はね…」

「「「表?」」」

「そう…、御神には表とは別に裏があるんだ」

「裏ってまさか…」

「そう…。裏の御神の仕事は…暗殺…」

「・・・・・・・・・」

「しかしそんな御神の歴史にも終焉は来た。
真雪なら覚えてるかな?
十数年前の結婚式の最中に投げ込まれた爆弾テロ、って事件」

「ああ、確かパーティーの出席者は、誰一人助からなかった上に、事件の犯人も目的もなにもわからないまま、迷宮入りしちまった事件だろ?」

「実は、あのパーティに出席予定でありながら、それぞれの理由により出席できずに生き残った人間が四人いる。
そのうち三人は、僕は直接面識があるよ。
みんなも二人はあるはずさ。」

「まさか…」

「そう、そのまさかさ…。
生き残った人間の一人『御神美沙斗』は当時の御神の正当伝承者の御神静馬の妻。
そして彼女の命を救ったのが二人の一人娘さ。
その子は結婚式の当日に熱を出してしまい、彼女を病院に連れていくために、結婚式に送れて出席する事になった美沙斗は助かった。
そして美沙斗の命を救った一人娘の名前は『御神美由希』。
今は高町美由希と名乗ってはいるが、唯一の御神の正当なる伝承者だ。
そして、本家の御神と並ぶ名門の不破家の人間にして、当時唯一、静馬と互角に闘えたただ一人の男、『不破士郎』。
そして、その息子『不破恭也』。
この4人が生存者だ…」

「でも…、確か恭也君のお父さんは亡くなった筈だけど…」

「そう、薫。恭也の父は死んだ。
フィアッセをテロから護って死んだんだ。
それから補足説明すると、不破士郎と御神美沙斗は兄弟だ…。
だから美由希と恭也は従兄弟どうしになるな…。
それから犯人の目星はついているんだ。
『龍』と言う組織で国際的なテロリストだ」

「何故捕まえないんだい?」

「証拠が無い。御神は敵も多かったからな…。
ただ、御神は悪人からの依頼は絶対に受けない。
それは慰めでもなんでも無く事実だ」

薫はリスティの言葉など耳に入っていないかのように呆然としていた。

『暗殺…、人殺し…。
恭也君は、血塗られた道を歩いてるのかもしれない…。
でも、ウチだって、退魔の道だって、剣で霊を切り殺している。
御神の剣と何処が違う?ただ相手が生きているか死んでいるかの違いだけ…。
もし恭也君が血塗られた修羅道を歩いていると言うのなら、ウチだって修羅なんじゃ…』

「薫、恭也が修羅かどうかは私の話を全部聞いてから判断して」

「リスティ!あれほど心を勝手に読んだらいかんと…」

「読んでないよ…。顔に書いてあった。」

「えっ…」

思わず顔を押さえる薫を尻目に、リスティは再び話を始めた。

「じゃあ、今度は高町恭也について話そうか…」

「いや、リスティ…。もういいよ」

「薫!?なに恭也の事はもうどうでも良いの!!!?」

何故かリスティはムキになって叫んだ。

「違う…。明日、恭也君から直接彼の事を聞くよ。
そしてウチのことを話す。
もっと良く知りたいし、ウチのことも知ってもらいたいから…」

この言葉を聞いて十六夜はにこりと微笑み、優しく薫の髪をなで、真雪はニヤリと笑い、彼女なりの愛情表現というつもりか、薫の事を散々からかい部屋を出ていった。
そして、薫もリスティの部屋を出て行こうとした時に、リスティはおもむろに薫の方を見た。

「薫、さっきなんで私が突然笑い出したか教えてあげようか?」

「え?」

「昔ね、恭也に言ったんだ。
君の回りには可愛い子が多いが、誰が好きなんだ?って。
そしたら恭也は・・・何て答えたとおもう?」

「さあ、ウチには見当もつかないな…」

平静を装いながらも、薫の心臓は悲鳴を上げそうなほどの速度で鼓動を刻んでいる。

「桜の精…だってさ…」

「は?」

「私もはじめは何を言っているか良くわからなかったよ…」

煙草に火をつけ、美味そうに吸うとリスティは続きを話し始めた。

「一面が花びらの世界で、子供のころにただ一度だけ出会ったんだそうだよ。
もう、夢か現か幻かもわからないけど、少しの哀しさと厳しさ。
そして一杯の優しさを秘めた瞳をしてたんだそうだ。
つないだ手のひらの感触と温もりが、子供心に鮮明に妬き付いてるんだそうだ」

「?」

薫はリスティの言葉の真意がわからないらしく、眼で『それが何なんだ?』と言っていた。

リスティはため息と供に煙草の煙を吐き出し、苦笑した。

『全く、恭也に負けないくらい鈍感なんだから…』

と内心驚き呆れた。

「さすがの私も気付けなかったよ。
恭也の桜の精がさ、日本刀を持った黄色いリボンでポニーテールにしているなんてさ…」

薫が回りをキョロキョロしていた。

『今この部屋には私と薫しかいないだろ…』

ようやく薫は自分の事だと自覚したのか、白皙の頬をバラ色に染めながら恐る恐る自分を指差した。
それに無言で、そして悪戯っぽい微笑みを浮かべて頷くリスティ…。

「え〜!!!ウチの事なの?」

バラ色を通り越し紅く染まった薫の顔は、リスティの目から見ても十分に魅力的であった。

『恭也の幸せ者…。しかし、朴念仁に見えてなかなか決める所は決めるな…恭也も…』

まだ、紅く染まった頬をした薫に、おやすみの挨拶をして、一人きりになったリスティはポツリと、

「おめでとう薫…」

と、一言洩らした。
そしていつのまにか根元まで来ていた煙草を慌てて揉み消し、もう一本に火をつける。

「桜の精…か…」

一口も吸わないまま火をつけたばかりの煙草を揉み消すと、部屋の明かりを消してベットに横になったリスティ


その眼から涙が一滴…

「おめでとう、恭也…。幸せになりなよ」

リスティの涙が何を意味したのだろうか…。

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後書き

まずは、俺の中での御神の家と恭也のイメージが強く前面に出過ぎて、読んでくださった方

に違和感を持たせる結果になってしまっていたら申し訳ないです。

5章が書き終わってようやく折返しに来ました。

なにか特定の人が目立ってしまっていますね。

このままでは晶やレンの出番があるかが心配です。いや、無いんですけど(ヲイ

忍は100%あります。

えっ?理由ですか?それは俺が3で一番忍が好きだからです。
ホントはそれだけじゃないけど…。